オーストラリアのワーキングホリデー事情は?条件や期間について

オーストラリアはコアラやカンガルーなど固有の動物たちが生息し、美しい自然や素晴らしい景観に恵まれた国です。
先住民アボリジニと開拓者が共存し、世界中から移民を受け入れながら成長してきました。深刻な人種差別もなく、親日家も多く、オーストラリアはわたしたち日本人にも優しい国の一つです。
オーストラリアと日本の間には1980年からワーキングホリデーの協定が結ばれています。あなたもワーキングホリデーでオーストラリアの生活を体験してみませんか。
それでは今回は、ワーキングホリデーについて紹介します。
※この情報は2023年3月時点の最新情報です。
目次
ワーキングホリデーとは?ビザの知識
ワーキングホリデーとは、観光や休暇目的の長期滞在(ホリデー)を認め、滞在費を補充するために就労(ワーキング)を可能としたビザです。
日本のワーキングホリデー制度は、1980年にオーストラリアとの間で始まりました。お互いの国の青少年が滞在国の生活と文化を体験し、実際に交流しながら相互理解を深めるために作られた制度です。
1985年にニュージーランド、1986年にはカナダとの間でもワーキングホリデーが開始されました。2000年前後からはさらに協定国が増え、現在では29カ国との間にこのビザの協定が結ばれています。
またワーキングホリデーでは語学学校などへの就学も認められているため、ワーキングホリデービザでの短期留学も可能です。
どこが違う?オーストラリアのワーキングホリデー

オーストラリアはワーキングホリデーの渡航先として最も人気のある国の一つです。日本からも毎年1万人以上が、オーストラリアへのワーキングホリデーを利用していると言われています。
29カ国から選べるワーキングホリデーの渡航先ですが、オーストラリアのワーキングホリデーが人気となっている理由、特徴を確認してみましょう。
【特徴1】抽選なし、オンラインで申請できる
オーストラリアのワーキングホリデーには、ビザの発行数が限定されていません。全ての申請者にビザを手にするチャンスがあります。
オーストラリアのワーキングホリデーは基本的にオンラインで申請します。健康診断などの必要がなければ、申請後48時間以内にビザが発行されることもあります。ただし、ビザ申請にかかる時間は人それぞれです。追加書類が必要な人は3か月ぐらいかかることもあります。
ビザの発行数が決まっている国のワーキングホリデーは、まずその年の募集に応募して抽選に当たらなければ申請ができません。
【特徴2】就学、就労の期間が決まっている
オーストラリアのワーキングホリデーでは、語学学校などへ通える期間が最大4カ月と決まっています。
また一つの職場(同一の雇用主の下)で働ける期間にも規定があり、最大6カ月までです。農業や食品加工、健康などに従事する場合は12カ月働けるというような例外があります。ただし、許可が必要です。
就学と就労の期間が限定されているため、オーストラリアのワーキングホリデーには、4カ月は英語を学び、6カ月アルバイトに励み、残りの2カ月でラウンド(一周旅行)するというような、王道パターンができました。
【特徴3】オーストラリアでのワーキングホリデーは最大3年間!
ワーキングホリデービザの取得は、一生に一度のチャンスです。有効期間は1年。他の協賛国では、1年を過ぎて滞在を希望する場合、新たに観光ビザや学生ビザを申請しなければなりません。
オーストラリアには、セカンドワーキングホリデー、サードワーキングホリデーという制度が設けられています。オーストラリアのワーキングホリデーは、条件を満たせば3年間滞在できるということが最大の特徴です。
ただし2回目、3回目のワーキングホリデーを申請するためには、定められた期間、オーストラリア政府が指定する地域で指定された職種に就労した実績が必要になります。
ビザを取る条件は?オーストラリアのワーキングホリデー
それでは実際にオーストラリアのワーキングホリデービザを申請するための条件を確認してみましょう。
【条件1】年齢制限
ワーキングホリデーは、2国間で青年が相手国の生活を体験し、相互理解を深める目的で設けられた制度です。そのため申請には、18才から30才までという年齢制限があります。
この年齢制限は、申請時の年齢です。18才になったら渡航するためにと17才で申請はできません。逆に30才で申請して31才になってからの渡航は認められています。
ワーキングホリデービザは発行から渡航までの有効期間が1年です。そのため、31才になる直前にワーキングホリデーを取得した32才のワーキングホリデーメーカーも少なくありません。俗に「ギリホリ」と呼ばれています。
【条件2】ワーキングホリデーの取得歴
二つ目にあげられる条件はオーストラリアのワーキングホリデー取得歴がないことです。ニュージーランドやカナダなど、他国でのワーキングホリデー経験があっても申請に問題はありません。
ワーキングホリデーのプログラムに参加中の人をワーキングホリデーメーカーと呼びます。オーストラリアはワーキングホリデーに一番人気の国です。
オーストラリアには世界の多くの国からワーキングホリデーメーカーが集まっています。オーストラリア滞在中に知り合った友人の国へ、次のワーキングホリデーを申請する人も多いようです。
【条件3】渡航の主目的
渡航の主な目的は、あくまでも休暇でなければなりません。ワーキングホリデーは就学も就労も可能ですが、期間が定められています。
本格的な留学を目的とするならば、学生ビザが必要です。働くための渡航であれば、必ず就労ビザを取得しましょう。オーストラリアは一般的な観光目的での入国にも、観光ビザに準ずるETA(またはETAS)という電子渡航許可が必要になります。
【条件4】パスポートの保持
ワーキングホリデーの申請にはパスポートが必要です。ワーキングホリデーのビザは1年間有効なので、残存期間が1年未満のパスポートでは申請できません。
ワーキングホリデービザは発行から入国まで1年有効です。入国時にパスポートの残存期間が1年に満たない場合、入国できないおそれがあるので注意してください。
【条件5】資金の用意
オーストラリアのワーキングホリデーはビザの申請料が510豪ドル(約4.5万円)です。健康診断や警察証明が必要となった場合、これらを取得する費用も別途必要になります。
申請料に加え、往復の航空券(もしくは航空券を購入する資金)も用意しましょう。また滞在資金として5000豪ドル程度(約46万円)の残高証明も必要です。
その他の条件
その他に、扶養する子供を同伴しないという条件があります。夫婦でそれぞれがワーキングホリデーを取得し一緒に渡航はできますが、子供を連れての入国は認められません。
オーストラリアのワーキングホリデーでは、旅行保険の加入は必須条件となっていませんが、申請には心身ともに健康でなければならないという条件もあります。
他のビザへの切り替えは?オーストラリアのワーキングホリデー

ワーキングホリデーの期間終了後の滞在に、オーストラリア国内で観光ビザの申請はできません。学生ビザまたは就労ビザへの切り替えは可能です。
オーストラリアに長く居住したいと考えるなら、ワーキングホリデーで就労できる6カ月の間に実績を積み、信頼を築き、会社から就労ビザを申請してもらえるよう努力しましょう。
長期就労ビザは最大4年間有効です。就労して2年が過ぎると永住権を申請する資格も生じます。
ワーキングホリデーでオーストラリアへ行ってみよう!
永住するしないに関わらず、ワーキングホリデーで体験するオーストラリアの生活は、一生に残る良い思い出となるでしょう。
オーストラリアはワーキングホリデーの先進国であるだけに、他の協定国と比べてもビザを取得しやすくなっています。
またオーストラリアには、セカンドワーキングホリデー、サードワーキングホリデーといった制度を利用して長く滞在することも可能です。
ワーキングホリデーをきっかけに移住する道も開かれているので、海外生活、海外移住に興味のある人は、まずワーキングホリデーでオーストラリアへ旅立ってみませんか。
出典:外務省
出典:ワーキング・ホリデー協会