シンガポールのIT化

交通
主な公共交通機関の1つである電車(MRT)は無人運転、車内や駅には電光掲示板があるのみでアナウンスはありません。
乗客は基本的に交通系カード、Apple Watch等で支払をするため、券売機の前で混雑もありません。
日本と比べ圧倒的にマンパワーが少ないです。
MRTの駅から少し離れている場合は配車アプリを使います。
経由地(ある場合)、目的地を入力するだけで到着予定時間と金額がわかります。
支払いは登録しているカードから降車後に引き落とされます。
また、コロナ以降空港でも急激にIT化が進み、チェックインは全てタッチパネル、清掃や消毒のためにロボットが設置されるようになりました。
ロボットといえば、少し話がそれますが、ホテルのルームサービスを運搬するためのロボットも随時ホテルに導入されているようですよ。
銀行
コロナ以降急速に店頭でのキャッシュレス化が進みました。
街のパン屋、アイスクリーム屋でも現金支払い不可の店舗が出てきています。
逆に現金支払いのみ可能であった民衆屋台でも、政府が助成金をはずんだことでキャッシュレス化が急速に進んでいます。
シンガポールではクレジットカードの他に、デビットカードと同様の働きをするNETSという機能が一般的で、瞬時に口座から引き落とされるため、タイムリーにアプリで口座残金を確認することができます。
割り勘をした際の友人への送金、請求書の振り込みも基本的に全てアプリもしくはオンラインで処理をします。
登録している電話番号や、ID番号を入力するだけで、手数料なしで簡単にお金の移動ができます。
さらに私が驚いたのは、アプリで海外への送金もできてしまうことです。
これは海外からの労働者が多いというシンガポールの社会的背景も反映しているのでしょうが、日本のように銀行の窓口で振り込みを行う機会はほぼありません。
シンガポールでは銀行口座と個人のIDが紐づけられているため、個人の収入やお金の流れは全て政府に把握されています。
マネーロンダリングが疑われるような海外送金があった場合も、すぐに紐づけができるようになっています。
他にも、就労条件にあった給与が振り込まれているか等も厳しくチェックができるような仕組みになっています。
買い物
以前からオンラインショッピングはよく利用されています。
電化製品、家具、日用品・食料品でも特に重いものは、多くの人がオンラインを利用しています。
今は服やアクセサリー類もオンラインが売り上げを伸ばしており、例えば最高益を出したシンガポール人が大好きなルイビトンも世界中の在庫が一目でわかるようなサイトの作りになっています。
シンガポールは物価が高い事で有名ですが、その中でも特に高いのが賃料です。
シンガポールのモールには大体同じ店が入っています、なぜか、家賃が高すぎるのである程度経済的に余力のあるショップでなければ店頭で営業ができないのです。
家賃のないネットショッピングは経営者側にも大変魅力的です。
シンガポールのネットショッピングサイトの在庫状況の反映はかなり正確で、在庫有なのに実際はない!という経験は、少なくとも私は遭遇したことがありません。
また、どのサイトもカスタマーサービスチャットが充実していて、気軽に質問ができます。
配送(送付側)
荷物の送付には郵便局、民間企業様々手段がありますが、どこも事前にオンラインで伝票の作成と、支払いを済ませなければなりません。
重さを計り、宛先を入力し、決裁をした後に、自分で伝票を印刷して荷物に貼ります。
後は集荷を待つのみです。
自分のアカウントから該当の荷物をクリックするだけで、集荷後の追跡ができます。
一度荷物をそのまま持ち込んだのですが、事前に登録していない荷物に関しては一切受け取ってくれず、手書きの伝票というものは全て廃止になっていました。
配送(受け取り側)
到着日に、携帯に「今日届きます」というショートメッセージが入ります。
マンションの鍵付宅配boxもしくは家の前に荷物は置かれ、またメッセージで到着の連絡が入ります。
宅配boxの場合は、鍵の暗証番号が同時に送られてきます。
不在票というものは存在しないので再送という概念がありません。
家の前に置きっぱなしでなくならないのか?基本的にはなくなりません。
なぜか、いたる所に防犯カメラがあるためすぐ犯人が割り出されることを皆知っているからです。
上記はほんの一例ですが如何でしょうか。
シンガポールは東京都と同じ面積、人口の、小さな都市国家です。
特に資源もなければ、農業、畜産業ができるような土地もありません。
有名な産業があるわけでもありません。
それが故に世界の中での自国の位置を確立するため、金融、貿易、デジタル化には非常に力を入れていて、特にIT分野に関しては、人材確保、育成に多大な時間とお金を費やしています。