ロシアの交通の便☆モスクワのタクシー・地下鉄・バス・電車に詳しくなれるロシアの乗り物ガイド
ロシアに行ったら気になるのが交通の便ですよね。でも外国に来て現地のタクシーや公共交通機関を使うのはかなり勇気のいる事だと思います。
この記事ではモスクワ在住の私がモスクワのタクシー事情について、地下鉄・バス・電車について、ご紹介いたします。
これらを使いこなせれば、ロシア生活がガラッと楽に、便利になりますよ!
目次
ロシアのタクシーって?遠回りされたりしないか心配…
ロシアのタクシーは基本、アプリで呼びます。なので、白タクは絶対にやめてください。空港周辺や駅周辺、観光地周辺にタクシーが多く止まっていて、特に外国人に「タクシー?」と聞いてきますが、絶対に断ってください。白タクに乗ると9割の確率で高額請求されます。
ではどうしたら安全にタクシーを使うことができるのでしょうか?
スマホアプリ「Яндекс Го(ヤンデクスゴー)」か「Uber(ウーバー)」をダウンロードします。アプリダウンロードはWi-Fiなどインターネット環境さえ整えばできますが、この後の手続きはロシアのSIMカードを持っていないとできないのでご注意ください。ダウンロード後、アプリを開いて、名前やメールアドレス等の個人情報を入力していきます。そしてロシアの携帯番号を登録し、確認コード番号がショートメールに送られてくるので、その番号を入力します。銀行のカードと紐付けしますか?という画面も出てきますが、これはタクシー利用時の支払いをカードで自動的にできるためのもので、この設定は後からでも変更できますので、すぐに銀行のカードを紐付けするのが不安な方は、初期設定の時点でスキップを押しても大丈夫です。これで初期設定が終了し、GPS機能は大切ですので、アプリ起動時はオンにして下さい。
初期設定が終わったら、タクシーを呼べます。アプリの画面に自分のいる街の地図が出ますので、どこからタクシーを呼びたいのか選択します。たとえ自分のいる住所が分からなかったとしても、GPS機能のおかげで現在地のところに「Я(ヤー)」マークが出ますので、Яマークの近くをタップするだけで大丈夫です。ちなみにЯはロシア語で「私」という意味です。続いて、目的地を設定します。こちらは住所を登録するか地図上で選択する事もできます。
タクシーを呼ぶ位置と目的地の設定が終わったら、値段が表示されます。タクシーにはいくつかの種類があり、「Эконом(エコノミー)」「Комфорт(コンフォート)」「Комфорт+(コンフォート+)」「Бизнес(ビジネス)」「Минивэн(ミニバン)」です。種類によって値段が異なります。値段を見ながらタクシーを選択したら、呼ぶことができます。
もう少し細かい事を説明しますと、このタクシー選択時に実は細かい設定も選ぶことができ、例えばチャイルドシート希望や禁煙運転手希望など選ぶ事ができます。そしてお支払い方法もここで設定できます。現金なのか、カード支払いの場合はここでカード情報を登録すると紐付けできて、自動支払いとなるのでとても便利です
これでタクシーを呼ぶボタンを押せば、アプリ上にタクシーの車種と番号が表示され、またアプリの地図上にタクシーが現れ、今タクシーがどこを走っているのか&タクシーが来るまでの時間が出てきますので、例え天気が悪かったり寒かったりしても家や近くの建物内で待つことができ、到着1分前くらいに向かえば大丈夫です。
タクシーが到着したら、必ず車種とプレートナンバーを確認してください。本当に自分が頼んだタクシーなのか、というのも稀にですが、白タクが来て後でトラブル事があります。アプリで頼んだタクシーなら絶対に問題はありませんのでご安心ください。
タクシーに乗ると、アプリ上の地図で目的地まで何分かかるのか、どの道を通って行くのかなどが表示されるので、安心して利用することができます。
運転手さんにもよりますが、乗車後、車内のBGMや温度はこれで大丈夫かなど聞いてくる方もいらっしゃいますし、おしゃべり好きな方も多いので、乗車中は運転手さんとのおしゃべりを楽しむのもロシアタクシーの醍醐味です。
目的地に着いたら、現金なら現金支払いとなり、カードを紐付けしている方は自動的に引き落とされるので、そのまま降車できます。アプリ上で運転手さんの評価を5段階評価でつけることができるので、もし良いと思ったら評価つけてあげて下さい。
アプリでタクシーを呼べて、値段も前もって分かって、カード紐付けも可能で、地図上で目的地までの時間なども確認できて、本当に便利だと思います。こちらのアプリ会社と運転手さんの間で契約書が交わされているため、アプリからタクシーを呼ぶ場合は安全が保証されています!
では気になるタクシーの値段相場をご紹介いたします。目安として2023年2月時点で、1ルーブルは1.8円です。もちろん時間帯によっても多少の差はあり、朝の通勤ピーク時(8〜9時)や夕方の帰宅ラッシュ時(16〜18時)は少し高いですが、だいたいモスクワ市内で10分くらいの距離ですとエコノミータクシーで約200〜300ルーブル、ビジネスタクシーで約500〜600ルーブル、30分くらいの距離ですとエコノミータクシーで約600〜800ルーブル、ビジネスタクシーで約1200〜1500ルーブルほどです。モスクワの場合、空港はモスクワ郊外に位置しますので、空港から市内までは1時間〜1時間半ほどかかり、エコノミータクシーで約1000〜1500ルーブル、ビジネスタクシーで約2000〜2500ルーブルが相場です。ただ天気によっても値段が変動し、雪や雨など天気の悪い日は値段が少し高くなり、年末年始や祝日も値段が上がりますので、ご注意ください。
モスクワのタクシー値段相場はこれくらいですが、ロシアの田舎では半額以下の値段となり、100ルーブルでタクシーを利用できたりします。もちろん田舎でもアプリシステムは利用可能です。
ロシアの地下鉄!ロシアは広いけど地下鉄の値段はいくら?
ここではモスクワの地下鉄についてご紹介いたします。モスクワでは地下鉄が1番の公共交通機関と言っても過言ではありません。
地下鉄はロシア語で「Метро(メトロ)」と言い、東京メトロと同じ呼び方なので、日本人に馴染み深いですね!
モスクワのメトロは全部で15ラインあり、その中に環状線が2つあります。外環状線(МЦК)は最近できたので乗り換えの際に一度外に出て、また改札を通らないといけませんが、他のラインの乗り換えは全て地下内でできるようになっています。また全て各駅停車なので、乗り越す心配もないですし、例え乗り過ごしてしまったとしても同じプラットフォームの向かいの電車に乗れば反対方向に行くので、モスクワのメトロは簡単で便利です。
メトロの駅は毎朝5時30分に開き、夜中1時に閉まります。始発は駅によっても違いますが、5時28分〜6時5分の間で、駅内のエスカレーターや乗り換え用のエスカレーターも5時30分から利用可能です。終電は駅によっても違いますが、1時20分〜1時40分の間なので、メトロの出口は1時45分くらいまで開いています。
モスクワメトロの良いところは、インターバーが短く、平均で2分おきくらいに次の電車が来る事です。ピーク時などは1分で来ることもありますし、駆け込み乗車しなくても、すぐに次の電車が来るので安心です。また基本的にメトロは右側から来るので、電車が行った後、左側(進行方向)のトンネルの上側に、次の電車が来るまでの時間表示があり、とても便利です。
もし電車が出発して、次の電車が来るまで時間がある場合は、乗り換えや出口に近い方向に移動しておくのも良いですね。どちらの方向に移動すればいいのか分からない場合は「Yandex Metro(ヤンデクス・メトロ)」アプリをダウンロードすることをおすすめします。出発の駅と目的地の駅を入れると、所要時間やそこまでの行き方(乗り換えの仕方)、前・真ん中・後ろのどこに乗ったら乗り換えや出口に近いかなども確認する事ができます。
メトロの駅の名前はロシア語ですので、ロシア語に慣れてないと難しく感じるかもですが、2018年のFIFAワールドカップの際に、英語表記と英語のアナウンスが追加されたので、安心して下さい。
ロシアメトロの日本との1番の違いは改札が入り口だけという事です。出口に改札がないので、何駅乗ってもどこまで行っても『値段は一律』となります。気になる値段ですが、現時点(2023年2月)で1回券(90分以内)が75ルーブルです。(※1ルーブルは約1.8円)何駅乗っても75ルーブルというのは安いと思います。ただもっとお得なのは「トロイカカード」です。ロシアに長期滞在して公共交通機関を使う方はこのトロイカカードをおすすめします。こちらはチャージ式のカードとなっていて、トロイカカードは50ルーブルで購入することができ、1回あたり50ルーブルずつ引かれていきます。1回券より25ルーブルお得です!
そして日本との違いで私が1番驚いたことはロシアのメトロのエスカレーターです。まずシェルターとしても使えるようにメトロは深いので、エスカレーターですがかなり長いです。でもエスカレーターのスピードが速いので、慣れるまでは少し怖かったのを覚えています。
モスクワメトロといえば『美術館のように美しい』で有名です。駅によって全然違いますので、モスクワにいらした際はメトロの駅巡りをするのも楽しいと思います。では私が個人的に好きなトップ3の駅をご紹介いたします。
1.Площадь революции(プローシャヂ レバリューツィ)
青のラインの中心部に位置する駅です。この駅は観光客に最も人気があります。建築家ダシュキンを中心に作られ、1938年に完成しました。この駅は文化遺産にも指定されています。
ソビエト時代をテーマにしたブロンズ彫刻、合計76体の彫像で飾られています。これらは前世紀のモスクワの住民を描いており、その中には労働者、集団農民、学生、国境警備体、革命家がいます。これらの彫像をよく見てみると、羊飼いの犬の鼻の先の部分や本を持った学生の靴の先の部分が金色になっています。実は面白い伝統があり、学生は重要な試験の前に、恋人はデートの前に、この金色の部分に触れると上手くいくという言い伝えがあり、今でも多くのロシア人はこれを行っています。
2.Киевская(キエフスカヤ)環状線側
キエフスカヤ駅は青のラインと水色のライン、そして環状線の3駅あります。環状線の駅の中では、モスクワ中央行政区以外にある唯一の駅です。
駅のホールは、小さなモザイクで飾られていて、それらはロシアとウクライナの人々の共同活動のシーンを描いています。各絵の下には説明付きの大理石の巻物があります。まるで美術館のような駅となっています。
3.Комсомольская(コンソモーリスカヤ)環状線側
コンソモーリスカヤ駅は赤のラインと環状線の2駅あり、赤のラインの駅は1935年に、環状線の駅は1952年に開設されました。
コンソモーリスカヤ駅の地上には3つの大きな駅(レニングラードスキー、ヤロフスラフスキー、カザンスキー)があり、モスクワ地方や他の都市の住民がモスクワへ来る際に訪れる駅です。この駅を作った建築家、シュチュセフは2度もスターリン賞を受賞しています。駅は「都市の玄関口」と位置付けられているため、首都の第一印象を形成するために、できるだけ記憶に残るものにする事が重要とされていました。駅内装飾は、スターリン帝国様式の神格化です。2列の柱、巨大なアーチがとても特徴的で美しい駅です。
ロシアのバス!どれくらいの時間の間隔で走っているの?日本みたいに時間通りに来る?
ここではモスクワ市内のバスについてご紹介いたします。バスもメトロのように路線図がありますが、ラインはとても多いので、私も自分がよく使うバスしか覚えていません。私自身も使っていて、おすすめのアプリは「Yandex Maps(ヤンデクス マップス)」です。アプリ上を開いて出発地と目的地を入力すると、どのバスに乗ればいいのか、どこで乗り換えすればいいのか、どれくらい時間がかかるのか、あと何分後にバスが来るのかなどが表示されます。ロシアのバスは時刻表がありませんが、約10分おきに走っています。ただモスクワの渋滞は世界でも有名なくらい酷いので、渋滞によってはかなり遅れる事もあり、朝と夕方のピーク時と年末年始や祝日、そして大雪の日のバスは遅れると思っておいた方がいいと思います。
モスクワのバスの値段とお支払い方法についてご紹介いたします。以前まではバスに乗ってすぐ運転手さんに現金を渡して1回券を買う事ができましたが、今は現金払いができませんので、ご注意ください。
バスに乗るとドア付近にカードをかざす機械があります。そこにあのチャージ式のトロイカカード(上記メトロの部分で説明)をかざすと支払いが終了となります。トロイカの値段はメトロと同じで1回あたり50ルーブルずつ引かれていきます。そして、バスもメトロと同じで乗車の際のみカードをかざすので、1区間乗っても何区間乗っても同じ料金となります。ただバスはメトロのように改札がなく、乗車して自分でカードをかざしにいく形式なので、忘れたりしないようにご注意ください。時々、係りの人が乗ってきて抜き打ちでお支払いをしたかのチェックがあり、もし支払いをしていなかったら罰金を払うことになるので、忘れないように、そして1-2区間であってもカードをかざしてお支払いして下さい。もしトロイカカードの残金がなくなったりした場合は、ロシアのクレジットカードやデビットカードでもお支払いできるようになっています。
ロシアの電車!モスクワからサンクト・ペテルブルクまで片道はどれくらい?
最後にモスクワ市内だけでなく、違う街への移動についてご紹介致します。モスクワからサンクト・ペテルブルクへ電車で行く場合ですが「Сапсан(サプサン)」がおすすめです。サプサンはロシア版新幹線のような感覚で、ロシアの中で速い電車です。モスクワからサンクト・ペテルブルクまでの距離は635kmで、サプサンだと3時間半〜4時間くらいで着きます。
サプサンの値段はエコノミークラスで片道約2500ルーブル、ビジネスクラスで片道約9000ルーブルとなっています。
もっと遠い街へ行きたい場合は「シベリア鉄道」で行く事もでき、ロシアはとても広い国ですので、電車の旅にも挑戦してみて下さい!ちなみにシベリア鉄道はゆっくり走りますし、大きな駅だと数時間止まったりするので、電車が止まってる間に駅から街に出て街中に出ることもできますし、ただ電車は遅れがなく時間通りに出発しますので自己責任になりますが、私は何回かシベリア鉄道で旅をして色々な経験ができました。