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【まとめ】オーストラリア移住のメリット・デメリット

【まとめ】オーストラリア移住のメリット・デメリット

オーストラリアへの移住を計画中の方に朗報です!オーストラリア政府は、2023年7月より就労ビザから永住権への切り替え条件を緩和しました。大きな改正改善以下の3点です。

  1. 中長期・短期どの職業でも2年就労後、永住ビザ申請可能に 
  2. 短期リストの就労者でも国内申請での更新が無制限に
  3. 就労ビザでの最低年俸がAUD70,000に引き上げ

今回は、この機に就労ビザや永住権を目指す人に向けて、オーストラリア移住のメリット・デメリットを解説します。本記事を読んで、悔いのないオーストラリア移住を計画してください。

この情報は2023年8月時点の最新情報です。

目次

オーストラリア移住のメリット5選

ゆったり流れる時間や雄大な自然、オーストラリアには数々の魅力があります。日本人がオーストラリアに移住して感じるメリットとして、次のようなものがあります。

  • 日本との時差が少ない
  • 日本文化を味わえる場所が多い
  • 自然災害が少ない
  • 最低賃金が日本より高い
  • 異文化に寛容で住みやすい

この章では、これらメリット5選についてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

日本との時差が少ない

オーストラリアと日本との時差は最大でも1時間(サマータイム時は2時間)と、ほとんどありません。そのため、いつでも日本に住む家族や友人と連絡できます。下図は、日本人の多い国別に時差を比較したものですが、諸外国と比べてもオーストラリアの時差が少ないのがわかります。

順位 国名 日本人の数 時差
1 アメリカ 429,889人 ニューヨーク -14
2 中国 107,715人 北京・香港  -2
3 オーストラリア 93,451人 シドニー +1
4 タイ 82,574人 バンコク   -2
5 カナダ 70,892人 バンクーバー -17
6 イギリス 63,653人 ロンドン   -9
7 ブラジル 48,703人 リオデジャネイロ-12

 

日本文化を味わえる場所が多い

アジア各国からの移民が多いオーストラリアでは、スーパーでも日本食材を購入できるほか、各都市に日本レストランやアジア食品店があります。和食が恋しくなったら寿司やラーメンなどを食べたり、アジアの新しい味覚を試したりするのも楽しいでしょう。

自然災害が少ない

地震は、地下で起きる岩盤プレートの「ずれ」が引き起こす自然災害です。オーストラリアはプレートの上に大陸全体がすっぽり乗っており、プレート境界から逸れているため、地震が起こりにくいと言われています。

最低賃金が日本より高い

オーストラリア労使裁定機関のフェアワーク委員会は、2023年7月から最低賃金を8.7%の引き上げました。その結果、日本とオーストラリアの最低賃金は以下のとおりです。

オーストラリア:23.23AUSドル(約2,230円)
日本:1023円

オーストラリアの最低賃金は日本の2倍以上であることが分かります。最低賃金が高い点は、オーストラリア移住のメリットとなるでしょう。

異文化に寛容で住みやすい

オーストラリアは、日本の約21倍の国土面積を有しながら、人口約2,600万人と日本の5分の1に過ぎません。そのため、公園やビーチなどどこに出かけても混雑することもなく、広々と感じられることでしょう。庭付きの家も多く、間取りも広いため、気分的にもゆったり過ごせます。

オーストラリア移住のデメリット5選

オーストラリア移住のデメリット5選

海外移住となるとメリットに目が向きがちですが、下記のようなデメリットや注意点にも着目しましょう。

  • 物価・生活費が高い
  • 現地の仕事を探すのが難しい
  • 紫外線が強い
  • 歯の治療費が高い
  • 永住するためのビザの保持が難しい

この章では、オーストラリア移住のデメリットについて説明します。

物価・生活費が高い

オーストラリアの物価や家賃は、日本と比べて高い傾向があります。

世界の物価の平均値を調べるサイト「NUMBEO」を元に、東京とシドニーの家賃を比較しました。

項目 東京 シドニー 比較
1寝室の家賃(都心) 144,395円 303,572円 +110.2%
1寝室の家賃(郊外) 84,697円 213,728円 +152.3%
3寝室の家賃(都心) 314,143円 615,739円 +96.0%
3寝室の家賃(郊外) 163,267円 376,979円 +130.9%
平均給料(手取り) 368,765円 535,394円 +45.2%

シドニーで一軒家を借りると、月々約30~37万円ほどかかります。ただ、ルームシェアを選ぶと光熱費込みで約72,000円に節約することも可能です。

下記では、2~4部屋のシェアハウスを2~4人でシェアした場合を想定し、1ヵ月間の生活費の目安を表にしました。(※1AUSドル=90円で計算)

項目 AUSドル 日本円
家賃・光熱費 400~800 36,000~72,000
交通費 120〜180 10,800〜16,200
通信費 40〜60 3,600〜5,400
食費・日用品 200〜400 18,000〜36,000
外食・交際費 400〜600 36,000〜54,000
合計 1,160〜1,840 104,400〜165,600

物価が高いオーストラリアにですが、留学生や移住生活のスタートには、ルームシェアがおすすめです。

現地の仕事を探すのが難しい

日本のような非英語圏からの移住者が、現地の仕事を探すのは至難の業。英語力や即戦力が問われるため、スキルを持った経験者しか面接に進めないこともしばしばで、悔しい思いをすることもあります。

面接に残るポイントは、履歴書にReference(推薦者)を明記すること。会社を辞める時は、お世話になった直属の上司と連絡先を交換して良好な関係を保っておきましょう。

歯の治療費が高い

オーストラリアにはメディケアと呼ばれる国民健康保険があります。しかし、歯科医療を含む専門医での手術や治療費には、メディケアが効きません。

そのため、個人保険に加入する人も多く、東南アジアに歯科治療のためだけに旅行する人もいるほど。全ての医療費に健康保険が適用される日本と比べ、歯科治療はかなり高額になります。

紫外線が強い

オーストラリアは紫外線が強く、皮膚がんの発症率が世界一を記録しています。肌が弱くない人でも常にUVケアをしないと、日焼けや炎症などの原因になりやすいため注意が必要です。

永住するためのビザの保持が難しい

永住権ビザ自体は、一度取得すると永久に利用できます。しかし、永住権ビザに付随しているレジデント・リターンビザ(RRV)は、5年おきの更新が必要です。

移住する前に準備すべき3つのポイント

移住する前に準備すべき3つのポイント

この章では、オーストラリア移住の前に準備すべき3つのポイントを紹介します。

  • 実際にオーストラリアで生活できるか確かめる
  • 現地で生活できるレベルの英語力を磨く
  • 現地で仕事を得るためのスキルを獲得する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

実際にオーストラリアで生活できるか確かめる

移住が決まったら、渡航代、ビザ申請費用、保険代、試験費用、車や家のリサーチなど、必要経費の調査を始めてください。スタート資金は、希望場所の家賃と生活費の合計3~6ヶ月分を用意します。すぐ働くにせよ、貯金はあるに越したことはありません。

現地で生活できるレベルの英語力を磨く

個人差はありますが、英語力はいきなり向上するものではなく、毎日の継続的な学習が大切です。まずは自分の英語力を測るために、IELTSなどの試験を目標設定して、モチベーションを上げて勉強しましょう。

技術独立永住ビザ(サブクラス189)を目指す人に求められる英語力

技術独立永住ビザ(サブクラス189)を目指す人には、以下の3つの英語レベルのいずれかが必要です。

  • Superior English:ネイティブ並みの英語力。IELTS全セクションで8.0以上のスコアを取得すると、サブクラス189/190/489のポイントシステムで20ポイントが加算されます。
  • Proficient English:移住するにあたって一般的に必要となる英語力。IELTS全セクションで7.0以上のスコアを取得すると、サブクラス189/190/489のポイントシステムで10ポイントが加算されます。
  • Competent English:技術独立永住ビザを目指す人に最低限必要な英語力。IELTSの全セクションで6.0以上のスコアを取得することが必須条件となります。

就労ビザ(サブクラス482)を目指す人に求められる英語力

就労ビザ(サブクラス482/通称・TSSビザ)は、雇用主のスポンサー付きビジネスビザで、主に海外からの駐在や現地就職などで利用されています。

  • Vocational English:TSSビザを目指す人が最低限必要な英語力。IELTSの全セクションで5.0以上のスコアの取得が必須条件です。ただし、現地採用で企業側が求める英語力は、移民局のスコア以上(6.5以上)が求められることがほとんどなので、注意が必要です。

配偶者ビザを目指す人に求められる英語力

配偶者ビザ(パートナービザ)は、オーストラリアの市民権または永住権を持つ配偶者(またはパートナー)をスポンサーにして取得するビザです。

  • Functional English:副申請者(18歳以上の家族申請者)に必要な英語力です。IELTSの全セクションで4.5以上のスコアが必要です。

 

現地で仕事を得るためのスキルを獲得する

永住権を獲得するには、オーストラリア政府が指定した職業リストの仕事に就く必要があります。

職業リストを見て、自分の取得予定のビザに必要な仕事を選定してください。看護師、会計士、ITなど、専門性が高い分野でのスキルや仕事経験があれば、オーストラリアでの現地就職が有利になります。

メリット・デメリットを理解して、しっかり移住計画を練ろう!

メリット・デメリットを理解して、しっかり移住計画を練ろう!

就労ビザから永住権が取りやすくなった今が狙い目!とはいえ、オーストラリア移住をスムーズに始めるには、入念な準備が必要です。実際に住んでみると、思い描いていた海外生活とは違うかもしれません。失敗して後悔することもあるでしょう。

今回紹介したメリット・デメリットを理解した上で、自分が本当にオーストラリアに移住したいかを考えてみてください。悔いのない移住を実現するため、今からでも始められる準備を進めましょう。

■出典
外務省:https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/japanese.html
気象庁:https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html

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