シドニー移住ガイド!仕事から子育て、生活費までまるっと解説
海外移住を考えた時にオーストラリアを検討したことはあるでしょうか?
中でもオーストラリア最大の都市シドニーは自然の豊かさや歴史、文化的にも魅力が多く、生活がしやすいことでも知られています。
また多文化主義的な面から見ても、日本人も生活しやすいため、日本人のシドニー移住者は増え続けています。
そんなシドニーへの移住はどうなのか?という点をメリットや仕事、生活など多角的な面から紹介していきます。
目次
シドニー移住のメリットとは?
シドニーと言えば?ボンダイビーチやオペラハウス、ワインなど様々なイメージが思い浮かばれます。そんなシドニーはオーストラリア経済の中心地であり、自然の豊かさ質の高い生活環境、魅力的な芸術や文化など、多くの面で生活を楽しめる都市です。
多文化主義なため価値観の多様性を受け入れられやすく、日本で生活している中で感じる「こうでなければならない」のような、協調圧力を感じる場面は少ないでしょう。
特に仕事面や生活スタイルなど、自分に合ったやり方が見つけやすいと言えるかもしれません。
またシドニーは、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)(https://www.eiu.com/n/)が発表する「世界の安全都市ランキング」においても、2021年には4位に位置しており、治安面での評価は世界的に高くなっています。評価の通り、夜間に出歩いても危険に感じる場面は少なく、安全に住める環境です。
さらに教育の機会も非常に豊かで、世界的に評価の高い大学や学校が多数存在しているため、お子様がいる場合は教育の面で大きな利点となります。
シドニー在住の知人の例ですが、彼の息子さんと娘さんは二人とも米大学を卒業しており、卒業後の就職では米・豪・日本と多様な選択肢を持てたと話しています。
こうした機会が作れる可能性があるのも大きいメリットでしょう。
以上のような住みやすさ、安全性、教育水準の高さなどでシドニーへの移住は多くのメリットを感じることができます。それ以外にも気候や働く環境の面なども世界でもトップクラスの都市と言えるでしょう。
シドニー移住で仕事はどうなる?
ではシドニーでの仕事の面ではどうでしょうか?
就職難易度は職種や経験によって異なりますが、一般的に金融やテクノロジーなどの専門職は就職難易度が高く、教育やヘルスケアなどの分野は就職難易度が低い傾向にあります。
以下に業界別にどのような事が求められるかを簡単にまとめました。
金融業
金融、経済学、会計学、ビジネス、数学などの分野での学位が求められます。
その他、一部の職種ではCFA(Chartered Financial Analyst)やCPA(Certified Public Accountant)などが必要になる場合やプログラミング言語(例えばPythonやR)やデータ解析ツール(例えばExcelやSQL)の熟練度も重視されるケースもあり。
金融業では全般的に高い英語スキルが必要なので、金融の経験が豊富でも英語に自信がない場合はまずは他の職種を経験してから、金融業に転職するのが良いかもしれません。
IT業界
IT関連では職種によって求められることが大きく異なります。まずIT関連の学位が求められる場合がありますが、必須ではありません。専門資格もCiscoのCCNA、MicrosoftのMCSE、AWSやGoogleのクラウド認定など、特定の技術分野での認定資格は求人によっては求められます。
その他、プログラミングスキルやデータベースやネットワーク管理の知識や経験、コミュニケーションとしての英語能力や対人スキルなどが求められます。
個人的な印象としては知識やスキルがあれば、金融業ほど就職難易度は高くない印象です。
求人によって求められる内容が異なるので、自分の経験やスキルで就職できる職場をどんどん探してみるのが良いでしょう。
教育
シドニーでは教育関連の求人は非常に多いです。幼児教育から学校の先生、日本語インストラクターなど内容も幅広くあります。
教師として働く場合は教育の学士号や修士号、そしてNESA(New South Wales教師局)への教師登録が必要です。
その他に実務経験や知識、コミュニケーション能力が求められますが、日本で教育に携わっていた方の場合はそこまで難易度が高い就職ではないでしょう。
英語能力が身に付いていれば、比較的すぐに教育関連の仕事に就ける印象です。
サービス業
シドニーで最も多いのがサービス業の求人です。特別な技術や資格を必要とせず、誰でも気軽に就ける仕事と言えるでしょう。
特にレストランやマッサージ店の募集は常に目にするほど多く、留学生やワーホリの方も就くことが多いので、英語に自信がない場合はまずはサービス業で英語環境に慣れるのも良い手です。一つ注意点としてはアルコールを扱う飲食業の場合は、Responsible Service of Alcohol(RSA)の証明を求められます。
その他季節労働(農場での果物などの収穫)も資格や英語能力がほとんど不要な仕事です。短期間で大きく稼ぐことができるので、生活資金を貯める目的で就いてみるのも良いでしょう。
シドニーへ移住するために何か条件がある?
シドニーへ移住するためには「必須なもの」と「あると良いもの」があります。
- 必須なもの:ビザ、健康保険
- あると良いもの:英語力、資金(ビザによる)
実際はビザの発行時に残高証明を提出する必要があるので、「資金」も必須に入るかもしれません。
ビザの種類はいくつかあり、代表的なものを羅列すると
- 就労ビザ
- 留学ビザ
- 投資ビザ
- 家族滞在ビザ
などがあります。その他に30歳以下であれば、1~2年の滞在が許可されるワーキングホリデービザもあります。
これらのビザの申請にはパスポート、申請書、写真、財力証明、健康診断書などの書類が必要となります。
財力証明に関してはおよそ1年間の生活資金を賄える額があれば問題ないでしょう。
オーストラリアへ渡る日本人の中で一番よく取得されるのはワーキングホリデービザですが、次いで多いのが就労ビザの中の一つ「技術移民ビザ」です。このビザはオーストラリアで技術職として働ける方向けのビザですが、対象職種は農業、建設、製造、情報技術、医療、科学、サービス、教育、観光、運輸などかなり幅広くあります。日本でこれらの経験が長い方はぜひ技術移民ビザの取得を検討してみてください。詳細条件など詳しくはオーストラリア移民局のウェブサイト(https://www.homeaffairs.gov.au/)でご確認ください。
その他求められるものとして「健康保険」があります。
シドニーに移住するには健康保険の加入がオーストラリア政府の法律によって義務付けられています。
そして永住者になればMedicare(オーストラリアの公的医療制度)に加入することができるようになります。Medicareは簡単に言えば病院や医療のサービスを無料または低コストで受けられるサービスです。
永住者の中にはMedicareだけでプライベートインシュアランスに加入しない方もいますが、Medicareは歯科治療などが対象外となるため、歯科治療もカバーするプライベートインシュアランスも併せて加入する方も多くいます。
続いてあると良いものである「英語力」と「資金」に関しては、シドニーに来てからでも身につけられるものなので、最低限の英語力と生活資金さえあれば移住に関しては何も問題ないです。
シドニーへの移住で生活費はどれくらい必要なのか?
最低限の生活資金と言っても、シドニーでの生活費はどれくらいかかるのか?
まずは何にお金がかかるのかを考えてみましょう。
- 家賃
- 食費
- 公共交通費
- 光熱費
- 通信費
- 医療費
それぞれどの程度見積もっておけば良いのかをまとめると
※以下、2023年5月のレートに基づく
- 家賃:1,500AUD∼3,000AUD/月(日本円:約136,000円∼273,000円)
- 食費:400AUD∼800AUD/人(日本円:約36,400円∼72,800円)※外食の場合は一食あたり20AUD∼50AUD程度
- 公共交通費:100AUD∼200AUD程度/月(日本円:約9,100円∼18,200円)
- 光熱費:200AUD∼300AUD/月(日本円:約18,200円∼27,300円)
- 通信費:50AUD∼100AUD/月(日本円:約4,550円∼9,100円)
- 医療費:100AUD~200AUD/月(日本円:約9,100円∼18,200円)※プライベートインシュアランス
合計:2,350∼4,600AUD/月(日本円:約213,850円∼418,600円)
となります。このように、日本での生活費と比べるとかなり高額になります。
しかし工夫次第で、これらはかなり低額に抑えることができます。
例えばですが
- 家賃 → シドニー郊外やシェアハウスを借りる、
- 食費 → 完全自炊にする、
- 公共交通費 → オフピーク時間帯に移動する(交通費半額)もしくは自転車の利用、
- 光熱費 → 不必要な電気の消費を避ける、
- 通信費 → 公共WiFiやキャリアの格安サブブランドを利用する、
- 医療費 → 少しでも安いプライベートインシュアランスに加入する
こうした工夫を踏まえると、下記料金のように安く済みます。
- 家賃:約700AUD∼1,200AUD程度
- 食費:約300AUD∼500AUD程度
- 公共交通費:約50AUD∼100AUD程度
- 光熱費:約100AUD∼200AUD程度
- 通信費:約30AUD∼50AUD程度
- 医療費:約30AUD∼40AUD程度
合計:1,210∼2,090AUD/月(日本円:約110,110円∼190,190円)
このように工夫次第で、無理なく生活できるほどの生活費まで落とし込めます。
シドニー移住でどう子育てする?
お子様がいる家庭の場合、シドニー移住で必ず考えなければならないのが「子育て」に関してですが、冒頭のシドニー移住のメリットで紹介していた通り、シドニーは教育面や生活環境が非常に整っているので、子育て環境としては非常におすすめできます。
シドニーだからこそ得られる子育て上のメリットとしては
- 高い教育水準
- 多文化による多様な価値観の吸収ができる
が挙げられます。
シドニーの高い教育水準に関してオーストラリア政府は教育への投資を重視しており、国民一人当たりの教育支出は世界でも高い方に位置しています。その結果、質の高い教師や教育機関が多数存在することとなり、現在のような「教育水準が高い」という評価を獲得しています。
学校教育の面では私立学校と公立学校がありますが、授業料が高く入学基準を設けていることが多い私立学校に対して、公立学校は授業料が無料で誰でも入れますが、それでも教育の質は高いと評価されています。
また多文化であるため多人種間のコミュニケーションで多様な価値観を身につけられるのはもちろんですが、教育プログラムも豊富に揃っているため、自分に合った学びを見つけやすく自己成長もしやすいでしょう。
その反面、デメリットもあります。一番の問題とされるのは高額な保育料です。
オーストラリアは私立運営の保育園が多いため、教育環境やケアは充実してますがその分高額です。特にシドニーの場合は1日の保育料は日本円で約1万円を超えるケースもあります。
しかし対策もあります。例えば政府からの保育料補助を受けれたり、家庭内保育(児童保育士が自宅で少人数の子供たちを世話する形式の保育サービス)やオカペア(海外から来た方が家庭に滞在して子供の世話や家事の手伝いを行う制度)が認められています。
保育料補助はChild Care Subsidy(CCS:児童保育補助金)と呼ばれる制度であり、永住権を持つ方以外にも特定の一時滞在ビザを持つ方であれば、この補助を受けられる可能性があります。しかしビザ種類や条件は複雑なので、申請前に専門家や移民局に問い合わせるのがおすすめです。
このようにシドニーでの子育てにおいて、小さいお子様がいる家庭でも経済的な負担を減らすための制度があります。
まとめ:シドニーは移住におすすめ
以上のようにシドニーは文化や教育、生活面で整っており、移住先としておすすめできる都市です。
日本での生活に比べるとお金がかかりますが、紹介していた通りに工夫次第では支出をかなり抑えることができます。
この魅力都市シドニーへの移住をぜひご検討ください。