コラム

現地滞在経験者がお伝えする、ニュージーランド移住のメリットやデメリット

現地滞在経験者がお伝えする、ニュージーランド移住のメリットやデメリット

近年、移住先・旅行先としても人気になりつつある、絶景の大自然に囲まれたニュージーランド。
他の国に比べてビザや永住権が比較的取りやすいと言われています。
実際にニュージーランドに滞在した経験を踏まえて、移住者の多いオークランドをメインに、ニュージーランド移住のメリット、デメリットを紹介します。

目次

ニュージーランドの永住権

永住するには永住権が必要となりますが、ニュージーランドの永住権はポイント制になっているのが特徴です。
それぞれ、部門により指定のポイントが定められており、そのポイントをクリアすると申請できるような仕組みです。
また、一度永住権を取得すれば、一定期間経過後は、ほかの国に移住してもニュージーランドの永住権は消滅しないという点が大きな魅力となっています。
一番申請者が多い、「技能移民部門」のほか、「投資家部門」「起業家部門」などの、ある程度まとまったお金が必要な部門や「家族部門」があります。
そのほか、パートナービザやシニア向けのリタイアメントビザなどもあり、ビザ取得後に条件を満たせば永住権の申請が可能な場合もあります。
「学生ビザ」から卒業して現地企業に就職したり、「就労ビザ」から永住ビザにステップアップしたりと、色々な移住方法があるのも特徴です。
ニュージーランドで英語力を測るのには「IELTS」と呼ばれる、英語力を証明する英語運用能力評価試験が採用されています。日本ではTOEICなどが主流ですが、ニュージーランドではIELTSの対策などをしておく必要があります。

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ニュージーランド移住のメリット

他民族都市、オークランド

ニュージーランド オークランドの街並み

ニュージーランドは人口より羊の数の方が多いとも言われるように、もともと人口が少ない上、人口が流出しているため、世界中からの移民を多く受け入れています。
そのため、移民の国とも言われており、特に北島のオークランドではそれが顕著に見られます。
ニュージーランドの首都は北島のウェリントンですが、日本からの直行便はなく、人口や規模も一番大きいオークランドがニュージーランド最大の都市として知られています。雇用も多く、世界中からの移住者が一番多く集まる都市もオークランドです。
日本人も多く住み、日本人コミュニティもニュージーランドで最大です。移住し初めの頃は現地の知り合いも少ないため、同じ母国語を話す日本人が住んでいるというだけでも心の支えになると思います。

英語圏

ニュージーランドは英語圏でもあるため、英語を学ぶために世界中からたくさんの学生が集まっています。アジア圏のほか、同じ南半球の南米系の学生が特に多いのが特徴です。
学生ビザから就労ビザに切り替え、ゆくゆくは永住権を取得してニュージーランドに移住するという目標を掲げてやってくる方たちも多いです。
英語に関しては、ニュージーランド英語も独特のアクセントがありますし、様々な国から人々が集まるため、日常のあらゆる場面で様々なアクセントのある英語に触れることができます。
慣れないと最初は戸惑うことも多いですが、それはお互い様で、多少間違った英語や日本人特有のアクセントなどがあっても受け入れてもらいやすいです。ニュージーランド現地の人々も寛容な方たちが多く、言葉の面でも移住先として過ごしやすいです。

多様な食文化

旅行するだけであればそれほど気になりませんが、移住するとなると重要なのが食生活です。海外に行くと、日本の繊細でさっぱりとした味付けで多彩なメニューが恋しくなりがちですが、その点、オークランドでは多国籍な街ゆえ、食文化も非常に豊かです。
日本食はもちろん、主要なアジア各国のレストランやアジア系スーパーマーケットなども揃っており、日本人でも食に苦労することはほぼありません。日本といる時と同じような食生活を送れることは、移住する上で大きなポイントとなります。

社会福祉制度や医療制度が充実

移住するとなると気になるのが社会福祉制度や医療面での待遇です。
ニュージーランドには、給与や税金を財源とした社会保険制度のACCサービス制度やGPと呼ばれる、かかりつけ医の制度があるのが特徴です。
日本のようにいつでも直接、好きな病院に行ける訳ではなく、まず総合診療医であるGPでアポイントメントを取ることが必要になります。GPの診察を受けた後に、必要に応じて専門医のいる病院を紹介してもらう流れになるので、その点が不便ではありますが、総じてニュージーランドの医療水準は高く、安心して受診することができます。ちょっとした風邪やケガ、皮膚疾患などはGPに行くだけで済んでしまうこともほとんどです。

日本からの直行便

移住しても日本に帰る機会はそれなりにあると思います。また、家族や友人が訪れに来る際にも、日本からの直行便があるのとないのでは大きな違いになります。
現在は成田―オークランド便がニュージーランド直行便として就航しており、およそ10時間半から11時間でのアクセスが可能です。

絶景の大自然に囲まれた日常

ニュージーランドの牧草地

ニュージーランドに移住する最大のメリットは、四季を通して、きれいな海、山、川、湖などの自然に触れ合える場所に恵まれている点だと思います。
オークランド市内でも、たくさんの牛や羊が放牧されている広大な公園があり、また車で30分も走れば、辺り一面に牧草地が広がる景色に出会えます。
島国であり、きれいなビーチも多く、海水浴やドライブなども気軽に楽しむことができます。
また、南島は「ヴィクトリア女王にふさわしい街」と名付けられたクリーンズランドなどの美しい街をはじめ、世界遺産のミルフォードサウンドなど、絶景の宝庫なっています。
また、ハイキングやトレッキングなどの自然を楽しめるアクティビティに溢れた都市がたくさんあります。

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ニュージーランド移住のデメリット

車社会

海外では車社会の国も多く、ニュージーランドも例外ではありません。都市部ではバスや列車などの公共機関も発達していますが、日本ほどスケジュール通りで細かいルートが組まれている訳ではありません。
オークランドの中心部などであれば車がなくても日常生活に支障はありませんが、ニュージーランドに住む人の車保有率は世界的に見ても高く、買い物に行くにも、郊外へ出かけるにも車移動の方が圧倒的に便利な環境です。
子供の送り迎えや習い事などの送る迎えをするのにも車は必須となっています。
尚、ニュージーランドの道路は日本と同じ左側通行、右ハンドルが主流なので日本人にとっては運転しやすいと思います。日本の免許を持っている場合、現地での運転免許証の取得は書類の提出のみで非常にスムーズです。

ニュージーランド不動産価格

ニュージーランドの不動産は上昇傾向にあり、特にオークランドでは顕著です。
住宅物件数が不足傾向にありつつも、海外に出ていたニュージーランド人の帰国が増え、移民が増加し、住宅ローン金利が低下していることから住宅需要が高まっていると考えられています。
もちろん地域によって異なりますが、オークランドの中心付近では日本でいうワンルームでおよそ月10万以上はかかります。節約のため、若い人たちの多くはルームシェアなどで共同生活する人も多いのが現状です。
ミッションベイなどの海沿いのエリアは豪邸が立ち並び高級住宅街となっています。また、オークランドからハーバーブリッジを渡ってノースショアに行くと、雰囲気が一変、海沿いに静かで閑静な住宅地が広がっています。
現地のKiwi(ニュージーランド人の愛称)たちには特にノースエリアでの居住が人気です。オークランド中心地より南へ行くと家賃は安くなる傾向があります。

日本と比べると田舎

自然に囲まれてゆったりとした時間の流れでの中で生活できるというメリットの反面、都会暮らしに慣れている方には退屈に感じることもあります。
大都市オークランドであっても東京と比べれば人口、レストランやショッピング街の数などは一目瞭然で少ないです。
お店なども閉店時間が早く、特に都会で日々忙しく過ごしていた日本人には暇を感じ、物足りなさを感じること方も多いです。
休日もどこかに出かけるというよりも、家でバーベキューをしたり、ビーチに散歩に行ったりと家族でのんびり過ごす時間が多いのも特徴です。

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ライフスタイルに合わせて移住生活を楽しむ

どこの国で移住するのにも、それぞれメリット、デメリットがあると思いますが、日本から移住するにはニュージーランドは環境的にも、とても過ごしやすい国であると感じます。
都市や地域ごとに雰囲気がかなり変わるので、ご自身に合った場所を探してみて下さい。自然が好きで、落ち着いて移住ライフを送りたい方の移住先としておすすめです!
南半球のため季節は逆ですが、四季折々の気候を楽しめるのも魅力です。

■参考サイト

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この記事を書いた人

yuriname

yuriname(30代・女性)

元添乗員、元旅行会社勤務 国内・総合旅行業務取扱管理者 日本47都道府県&海外37か国の渡航経験があります。
バックパッカー、個人旅行、団体旅行、クルーズ旅行、短期語学留学、ホームステイ、ワーキングホリデー、インターンシップなど様々なかたちで海外旅行・海外滞在を経験してきました。
現在はギリシャ在住です。
今までの経験を生かし、少しずつですが旅行記事を執筆しています。

■Instagram
https://www.instagram.com/yuriname/

■ブログ
https://www.veltra.com/jp/yokka/author/yuriname/

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