記事

オーストラリアで車を運転する時に必要な流れとは

オーストラリアで車を運転する時に必要な流れとは

オーストラリアは日本の21倍の面積を持つ広い国です。その広大な国土をドライブで体感してみたいと思ったことはありませんか。オーストラリアは日本と同じ右ハンドル左側通行なので、日本人にも運転しやすい国です。

オーストラリアで運転するために必要な免許について解説します。

この情報は2023年6月時点の最新情報です。

目次

日本の免許のままで車を運転できる国はどこ?

オーストラリアを含み、ジュネーブ条約に加盟している国では、最長1年は日本で発行された国際免許で運転できます。

ジュネーブ道路交通条約とは

1949年にジュネーブで締結された条約の一つです。加盟国の交通規則を可能な限り統一化するために結ばれました。日本は1964年、東京オリンピックを機にジュネーブ道路交通条約に加盟しています。

この条約に加盟する国では、ジュネーブ条約様式の国際免許があれば車の運転が可能です。現在この条約に加盟している国、地域は警視庁のサイトなどで確認できます。

国際運転免許証のしおり(警視庁)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/

ジュネーブ道路交通条約に加盟していない国では、ジュネーブ様式の国際免許での運転はできませんが、日本の免許に公式な翻訳書を添付することで運転できる国もあります。

国際免許の種類

日本で言う国際免許には、実は3つに分類されます。念のため、その違いを把握しておきましょう。

国外免許
日本の免許を持っている人が、ジュネーブ道路交通条約を結ぶ国で運転するために必要な免許。

国際免許
ジュネーブ道路交通条約に加盟する国の免許を持っている人が、日本で運転する時に必要。

海外免許
スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾といった協定国発行の免許に公式の翻訳書が添付されたもの。

一般的に国際免許と言われる、日本人が海外で運転するために必要な免許は、正式には国外免許に当たります。

日本人がオーストラリアで車を運転するための方法は?

オーストラリアもジュネーブ道路交通条約加盟国です。日本で発行された国際免許(国外免許)で運転できます。

国際免許(国外免許)で運転する

日本で用意できる、オーストラリアで運転するための免許が国際免許(国外免許)です。各都道府県の警察(運転免許課)や運転免許センター、運転免許試験場で取得できます。

申請には有効期限内の免許証や写真とともに、航空券の予約確認書など海外渡航を証明する書類が必要です。

日本の免許で運転する

オーストラリアでは、日本の免許にNAATI(National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)などで翻訳された原本を添えることでも運転できます。

例えばゴールドコーストでは、日本人の係員がいるレンタカーの会社で日本の免許だけで車を借りられるようです。

ただしアメリカのハワイやカリフォルニアなど、公式に日本の免許だけで運転が可能とされる地域でも、万が一のトラブルを避けるため国際免許を携帯することが推奨されています。ゴールドコーストでも、国際免許または公式な翻訳書を持っておいた方が安心でしょう。

オーストラリアの免許で運転する

オーストラリアは州ごとに道路交通法が異なります。ニューサウスウェールズやノーザンテリトリーでは、3カ月以上滞在する居住者は州の免許に書き換えなければなりません。

長期滞在される方は、日本の免許をオーストラリアの免許に書き換えることも検討しましょう。オーストラリア滞在中、パスポートの代わりにID(身分証明書)としても使えます。

オーストラリアで運転する時の注意は?

オーストラリアの道路

オーストラリアは右ハンドル左側通行、距離やスピードもキロ表示と、日本人には運転しやすい国ですが、オーストラリアならではの注意点もあります。

またオーストラリアの交通法規は州によって若干異なります。州を越えてドライブする際は各州の交通局サイトを確認しておきましょう。

速度制限の遵守

オーストラリアの特に都市部ではよく、厳格なスピード違反の取り締まりが行われているので注意が必要です。

オーストラリアでは一般的に、都市部では50キロ、郊外では100キロと制限速度が定められています。これを数キロ上回っただけでも、スピード違反として取り締まりを受けます。

スクールゾーンでは制限速度が20キロと極端に遅くなることがあるので、うっかり標識を見逃すことのないように気をつけてください。

ラウンドアバウト(ロータリー交差点)

オーストラリアは都市部を離れると、信号の設置されていないロータリー式のラウンドアバウトという交差点が多くなります。日本にはあまりないスタイルなので、慣れるまで一番とまどう仕組みかもしれません。

ラウンドアバウトでは必ず時計回りに進みます。そして常に右側の車が優先です。

野生動物の飛び出しに注意

オーストラリアは野生動物の宝庫です。郊外はもちろん都市部でも野生動物が道路に飛び出してくることがあります。

特にカンガルーは非常に足が速いため、避けることが難しく衝突事故も少なくありません。カンガルーにぶつかると車も相当なダメージを受けます。そのためオーストラリアではカンガルー用のバンパー、通称ルーバーを付けている車も多いほどです。

夜行性のコアラなどが道路をゆっくり横切ることもあるので、野生動物の動きが活発になる夕方から朝方までは、細心の注意を払って運転してください。

郊外(アウトバック)を走る時の注意

交通量が少なく制限速度も定められていない郊外で、思う存分に車を走らせてみたいと考える方もいるでしょう。郊外のドライブには、気をつけなければならないことがあります。

郊外の道路は中央分離帯のない片側一車線の対面通行が主流です。ロードトレインと呼ばれる非常に長いトレーラートラックも走っているので、追い越しには十分注意してください。

舗装されていない高速道路も少なくありません。たとえ制限速度がなく自由にスピードを出せるような道でも、無理な運転は絶対に止めましょう。万が一事故を起こしても、すぐに救助を受けられないおそれがあります。

また次のガソリンスタンドまで何十キロも走らなければならないことがあるので、ガス欠にならないよう早めの給油を心がけてください。

オーストラリアの免許で日本への帰国時に運転できる?

逆に日本へ一時帰国するような際は、オーストラリアで発行された国際免許で運転できます。

ただし3カ月未満の滞在期間中に取得した免許は無効です。また日本に一時帰国して出国した後、3カ月未満で再入国した場合も国際免許では運転できません。

国際免許の使用には3カ月ルールと呼ばれる決まりがあるので、オーストラリアと日本を頻繁に行き来するような方は注意してください。

3カ月ルールは、フィリピンなど簡単に免許が取れる国へ、免許を取ることを目的として渡航するようなケースを排除するために設けられました。

オーストラリアで取得した免許は日本の免許に書き換えできます。オーストラリアで免許を取ってから帰国しようと考えている方は、帰国予定の3カ月以上前に免許を取得しておきましょう。

オーストラリアに移住していたら日本の免許証は失効になる?

日本の免許証は有効期限が切れると失効します。やむを得ない理由が認められない場合、期限が切れてから6カ月以内に失効届を出さなければ、免許証の再交付を受けられません。

海外渡航はやむを得ない理由の一つです。オーストラリアに移住したために日本の免許証を更新できなかった場合は、最長3年まで、帰国から1カ月以内に手続きすることで免許証の再交付を受けられます。

*平成13年(2001年)6月19日以降一度も帰国していなかった場合は、帰国1カ月以内に手続きをすることで再交付が可能です。

原則として免許証の更新は期限の切れる(誕生日の)前後2カ月の間に行うこととなっていますが、長く海外へ行く場合などは特例により期間外でも更新できます。

次の帰国予定より前に免許証の期限が切れる時は、あらかじめ免許証を更新してから出国できます。

移住には免許の書き換え、短期滞在には国際免許がおすすめ

オーストラリアの道路

都市部ではバスや地下鉄、トラムなど公共の交通機関が充実しているオーストラリアですが、都市部を離れると買い物に行くにも、通勤や通学にも車がなければ不便な地域が多くなります。

オーストラリアでは日本の免許に公式の翻訳書を添えることで運転が可能です。免許と翻訳書があればオーストラリアの免許に書き換えもできます。ビザを取得して居住する場合は、早めにオーストラリアの免許に書き換えると良いでしょう。

またオーストラリアへ旅行に行く際は、ぜひ国際免許を用意してお出かけください。オーストラリアは、初めて海外で運転する日本人にとって最も運転しやすい国のひとつと言われています。安全運転を心掛けて、オーストラリアを体感してみてください。

・出典:警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/

・Austroads
https://austroads.com.au/

badge関連する記事

  • オーストラリア移住におすすめの都市はどこ?主要都市の特徴を紹介

    記事

    オーストラリア移住におすすめの都市はどこ?主要都市の特徴を紹介

    オーストラリアには、魅力的な都市が多くどこに住むか迷ってしまいますね。そこで今回は、移住者に人気の都市5選とその特徴、おすすめポイントなどについて解説します。オーストラリアに移住を計画中の方、将来的に移住したい方もぜひ参考にしてください。...

  • オーストラリアで移住を成功させる仕事とは?永住権取得の鍵は職業リスト!

    記事

    オーストラリアで移住を成功させる仕事とは?永住権取得の鍵は職業リスト!

    オーストラリアの永住権はポイント制で審査が行われます。高ポイントを得るためには、オーストラリアが必要としている職種に就いていることが重要です。 職種によって、オーストラリアの永住権を申請するハードルの高さは大きく異なります。今からオースト...

  • オーストラリアへの老後移住も夢じゃない!投資家ビザとは

    記事

    オーストラリアへの老後移住も夢じゃない!投資家ビザとは

    温暖できれいな海が身近にあるオーストラリア。適度な都会と自然が融合した居住環境の良さが、オーストラリアに移住する最大の魅力ではないでしょうか。 投資家ビザ(Investor Visa)は、そんな夢の老後移住を叶える方法の1つ。今回は、投資やビジネス目的で...

  • オーストラリア移住は50歳でも可能?永住権を獲得する3つの方法

    記事

    オーストラリア移住は50歳でも可能?永住権を獲得する3つの方法

    「海外移住にはタイムリミットがある」と聞いたことはありませんか。永住権や就労ビザなどの申請には、年齢の条件が必要になることがあります。 そこで今回は、50歳からオーストラリア移住を目指す方法について解説します。50歳までに移住したい人や、現在...

  • 【まとめ】オーストラリア移住のメリット・デメリット

    記事

    【まとめ】オーストラリア移住のメリット・デメリット

    オーストラリアへの移住を計画中の方に朗報です!オーストラリア政府は、2023年7月より就労ビザから永住権への切り替え条件を緩和しました。大きな改正改善以下の3点です。 中長期・短期どの職業でも2年就労後、永住ビザ申請可能に  短期リストの就...

  • 子連れでオーストラリア移住!留学から永住権を目指す

    記事

    子連れでオーストラリア移住!留学から永住権を目指す

    オーストラリアへ移住の第一歩として、家族で留学される方も少なくありません。3カ月以内の短期留学であれば、観光ビザ(ETA)で体験できます。3カ月以上留学する場合は、学生ビザが必要です。 オーストラリア移住に向け子連れでの留学に利用できるビザや、...