オーストラリアへの老後移住も夢じゃない!投資家ビザとは
温暖できれいな海が身近にあるオーストラリア。適度な都会と自然が融合した居住環境の良さが、オーストラリアに移住する最大の魅力ではないでしょうか。
投資家ビザ(Investor Visa)は、そんな夢の老後移住を叶える方法の1つ。今回は、投資やビジネス目的でのオーストラリア移住をサポートする投資家ビザについて解説します。
この記事は2023年9月の最新情報です。
目次
老後にオーストラリア移住を叶える2つの方法
老後にオーストラリア移住を叶える最適な方法には、下記の2つがあります。
- 技術移住ビザ
- 投資家ビザ
それぞれ、くわしく見ていきましょう。
老後までに移住を目指す人は技術移住ビザ
技術移住ビザ(Skilled Independent Visa サブクラス189)は、高いスキルを持った申請者が、オーストラリア移住する際に取得する最も一般的な方法です。スポンサーとなる就職先や推薦者がいなくても自力で取得できる永住ビザとなっています。
一度取得すれば無期限で滞在できるため、ビザが切れて更新するストレスからも解放されるでしょう。老後には年金受給の資格などが与えられます。
ただし、技術移住ビザの申請者には、高い技術や英語力など厳しい条件が求められる他、上限45歳という年齢制限があるため、老後までに移住を目指す方に向いています。
技術移住ビザについては、こちらの記事をご覧ください。
老後の資金に余裕がある人は投資家ビザ
老後の資金に余裕がある人は投資家ビザがおすすめです。実際のビジネスは不要なので、あくせく働くことなく、ゆとりのある老後移住を叶える最適な方法です。
投資家ビザは、資金によって、一般投資家ビザと上級投資家ビザに分かれます。
それぞれ見ていきましょう。
一般投資家ビザとは
一般投資家ビザ(Investor Visa サブクラス 188)は、一定の資産とキャリア、事業内容、投資歴を有した方を対象とした投資家ビザです。
実際のビジネスが不要なことから、オーストラリアで老後のんびり暮らしたい方にとって魅力的な制度です。暫定永住権が認められ、移住後に一定の条件を満たしていれば永住権の申請も可能となります。
一般投資家ビザの申請条件
申請の際には、オーストラリアの州または準州の政府機関から指名が必要です。指名されるための条件は州によって、もしくは移民局と州政府によって異なる場合があります。
一般投資家ビザの申請者は、州または準州の政府機関から投資するよう指名される必要があります。招待された場合に、満たす必要がある条件は以下のとおり。
- 純ビジネス、投資、個人資産が少なくとも250万ASD(2億2,500万円,1ASD=90円で計算)以上あること
- ポイントテストで65点以上獲得すること
一般投資家ビザの移民局の申請条件を下図にまとめました。
項目 | 必要条件 |
年齢制限 | 55歳未満 |
必要な資産 | 250万ASD以上 |
必要な投資金額 | 150万ASD以上 |
ビジネス・投資の実績 | 10%以上の出資を過去5年中1年以上、150万ASD以上の投資歴があること |
ビジネス・投資の経験 | 成功した事業・投資歴が3年以上あること |
一般投資家ビザの申請の流れ
一般投資家ビザの申請の流れを時系列に説明します。
時間 | 申請から取得までの流れ |
スタート | 書類収集を開始します。移民局にEOI登録し、州政府に申請します。 |
3か月後 | Invitationが届きます。取得後、2か月以内に申請してください。 |
12~18か月後 | 健康診断、英語力証明など追加書類を提出します。 |
15~42か月後 | 投資の実行後にビザが発給されます。 |
政府指定過疎地域の居住は投資額が減額される
州政府のビザ申請では、移民局の年齢基準やビジネス経験・投資条件などにより厳しい条件が求められます。また、人気のあるシドニー(NSW州)やメルボルン(VIC州)など都市部では、申請者が殺到するため、審査に時間もかかります。
そのような場合、政府指定過疎地域を申請先を選ぶと、スムーズに受理されるかもしれません。また、「政府指定過疎地域の居住は投資額が減額される」ことも嬉しいボーナスとして覚えておきましょう。
上級投資家ビザとは
ここからは、上級投資家ビザ(Significant Investor Visa サブクラス188)について解説します。5年間の暫定永住権が付いた移住制度ですが、移住後に一定の条件を満たせば、永住権の申請が可能です。
上級投資家ビザの申請条件
上級投資家ビザの申請条件は、ファンド投資にASD500万(4年)と、一般投資家ビザより多くの資産が求められます。また、オーストラリアの州または準州の政府機関から指名される必要があります。
上級投資家ビザの申請の流れ
上級投資家ビザの取得までの流れは、下図を参照してください。
時間 | 申請から取得までの流れ |
スタート | 書類収集を開始します。移民局にEOI登録し、州政府に申請します。 |
2か月後 | Invitationが届きます。取得後、2か月以内に申請してください。 |
12~18か月後 | 健康診断、英語力証明など追加書類を収集してください。 |
15~21か月後 | 投資の実行後にビザが発給されます。 |
申請から取得までの時間(Processing time)は、下記のとおりです。
- 一般投資家ビザ:90%が43か月
- 上級投資家ビザ:90%が22か月
上級投資家ビザは、一般投資家ビザより投資額が多い分、各州政府に優遇され、審査が短いことがわかっています。
老後のオーストラリア移住を成功するために必要な資金はいくら?
オーストラリアの投資ビザを申請するには、少なくとも250万オーストラリアドルをファンド投資する必要があります。必要な投資額は、申請するビザの種類によって異なります。
【最低投資金額】
- 一般投資家ビザ:250万ASD
- 上級投資家ビザ:500万ASD
ただし、日本と比べて物価が高いオーストラリアでは、生活費も多くかかります。投資家ビザで移住する場合、初期投資の他に、生活費、渡航費、更新費用を含める住居費などが必要となるので、さらに多くの費用が必要になるでしょう。
また、資産だけでなく、投資による年間収入もしっかり確保しなくてはなりません。これまでに蓄積した投資の能力も必要といえるでしょう。以上のことを念頭に移住計画を練ってください。
老後のオーストラリア移住に関するよくある質問
この章では、老後のオーストラリア移住に関するよくある質問についてまとめました。
- 投資家ビザは永住権なの?
- 投資家ビザは永久に消えないの?
- 投資家ビザ以外に老後にオーストラリア移住を叶える方法はあるの?
それぞれの質問の回答を見ていきましょう。
Q.投資家ビザは永住権なの?
A.投資家ビザは、永住権ではありません。最長5年の暫定ビザである点に注意してください。
Q.投資家ビザは永久に消えないの?
A.投資家ビザ(サブクラス 188)は暫定ビザですが、一定の条件を達成すると、永住権込みの投資家ビザ(サブクラス 888)に申請できます。
Q.投資家ビザ以外に老後にオーストラリア移住を叶える方法はあるの?
A.今回紹介した永住ビザやビジネスビザを含み、下記のようなビザがあります。
- パートナービザ(PartnerVisa)
- ペアレントビザ(Parent Visa)
- 永住ビザ(Permanent Residence Visa)
- ビジネスビザ(Business Visa)
パートナービザは生活を共にしているパートナーをスポンサーとして、就労ビザは雇い主をスポンサーとして、それぞれ永住権を申請できます。
ペアレントビザは、オーストラリア市民または永住者が、家族のスポンサーとして、海外の親を呼び寄せるときに申請するビザで、一定の規定を満たした場合、永住権を申請できます。
また、家族を伴って移住する場合、学生ビザ(Student Visa)や保護者ビザ(Gurdian Visa)などを上手く組み合わせれば、親子留学として移住が可能となります。ただし、学生ビザは、学生期間中の滞在のみ。保護者ビザは、子どもが18歳までという条件があります。
老後の永住権を獲得する3つの方法についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。
老後のオーストラリア移住を成功させるために必要な資金を試算しておこう!
今回は移民局の一時情報を元に、投資家ビザの最新情報をお伝えしました。オーストラリアは、ビザの法改正が不定期で行われることが多く、移民局だけでなく州政府の最新情報を常にチェックすることをおすすめします。
老後移住にはタイムリミットがあります。移民局の年齢制限は、技術移住ビザは45歳未満、投資家ビザは55歳未満、申請時点での年齢も選ぶ判断基準になるかもしれません。現時点では年齢制限のない上級投資家ビザは、今後撤廃される恐れもあることなども念頭に入れておきましょう。
今回紹介した投資家ビザは、申請から取得まで長い期間を要するため、その間に十分な資金を用意し、投資プランを練っておく必要があります。必要であれば、移民弁護士や投資の専門家のアドバイスや助けを借りながら、より快適でスムーズな老後移住を実現してください。
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