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オーストラリア移住は50歳でも可能?永住権を獲得する3つの方法

オーストラリア移住は50歳でも可能?永住権を獲得する3つの方法

「海外移住にはタイムリミットがある」と聞いたことはありませんか。永住権や就労ビザなどの申請には、年齢の条件が必要になることがあります。

そこで今回は、50歳からオーストラリア移住を目指す方法について解説します。50歳までに移住したい人や、現在50歳で今から移住を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

この情報は2023年8月時点の最新情報です。

目次

50歳からのオーストラリア移住は難しい?

若さがある20代は勢いだけでも移住が可能ですし、30代は新たなキャリアアップへの挑戦で移住を目指すのも良いでしょう。しかし、年齢が上がるにつれ、移住は困難に感じられるかもしれません。この章では、50歳からのオーストラリア移住が難しくなる理由を説明します。

年齢制限があるビザがあるから

オーストラリアの技術系の永住ビザ「Skilled Visa」では、年齢によってもらえるポイントが異なります。最大ポイントがもらえる年齢層は25〜32歳で、年齢が上がるにつれてポイントが下がり、45歳までの制限があります。

現地での仕事獲得が難しくなるから

オーストラリアの求人では、長く働ける若い労働力を確保したいため、募集人材の年齢を20代〜30代と想定しています。

そのため50歳で仕事を探す場合は、よほどのスキルや経歴がなければ書類選考で落とされるかもしれないことや、もし採用された場合でも、会社の上司が自分より年下であることを覚悟しておきましょう。

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45歳までの年齢制限があるビザ

45歳までの年齢制限があるビザ

オーストラリアで、45歳までの年齢制限があるビザには、下記の2つがあります。

  • 技術独立永住ビザ(Subclass189)
  • 技術指名永住ビザ(Subclass190)

それぞれ順番に説明していきましょう。

技術独立永住ビザ(Subclass189)

永住を考えた場合、推薦者やスポンサーなしで取得できるため、オーストラリアで最も一般的な永住権ビザです。

技術独立永住ビザ(Subclass189)について詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。

技術指名永住ビザ(Subclass190)

技術独立永住ビザの取得でポイントが足りなかった場合に、取得を目指せるビザのひとつです。州政府がスポンサーになることで、5ポイント獲得できます。

ただし、政府発行リストから職業を選ぶ、申請した州に6か月以上居住するなどいくつかの条件があります。

技術指名永住ビザ(S190)について詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。

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50歳からオーストラリア移住を目指す方法5選

50歳からオーストラリア移住を目指す方法5選

50歳からオーストラリア移住を目指す方法は、下記の5つがあります。

  • 配偶者ビザ(パートナービザ)
  • 親引き寄せビザ(ペアレントビザ)
  • 投資ビザ(リタイアメントビザ)
  • ビジネスビザ(S482)
  • 地方移住技術就労ビザ(DAMA)

それぞれの特徴を見ていきましょう。

配偶者ビザ(パートナービザ)

結婚や事実婚、同性婚など、オーストラリア国籍か永住権を持つパートナーがスポンサーになるビザです。他のビザと比べ、高い英語力が必要ないため、取得しやすいというメリットもあります。

申請の際には、2人で6か月以上一緒に住んで生活している証明書が必要です。例として、下記のような証明を用意しておきましょう。

  • 共通名義の口座から引き落とされた家賃や電気料金の明細書
  • 出会って関係を築くまでの写真
  • 2人をよく知る友人のステイトメント

親引き寄せビザ(ペアレントビザ)

ペアレントビザとも呼ばれ、オーストラリア市民または永住者が、海外の両親を呼び寄せるときに申請するビザです。前述した技術独立永住ビザ(S189)などの永住権を取得すれば、日本人でも家族のスポンサーになれます。

また、親引き寄せビザは親の年齢や申請費用などで複数の選択肢があります。資金に余裕があり、できるだけ早くビザを取得したい人は、暫定ビザのひとつSponsored Parent Visa (S870)の取得を目指しましょう。

投資ビザ(リタイアメントビザ)

一般投資家ビザ(リタイアメントビザ)と呼ばれ、お金に余裕がある人におすすめのビザ。資産とキャリア、事業経営、投資歴を有した人が対象となります。

申請者は、65ポイント以上を取得し、下記のような一定の要件を満たしていることが条件です。(※1ドル=90円で計算)

  • 年齢 55歳未満が有利(55歳以上でも可能)
  • 資産 250万ASD(約2億250万円)以上所有していること 
  • 投資 150万ASD(約1億3500万円)以上投資できること

ビザ申請し、審査終了後、投資を実行すれば、ビザが発給されます。4年間に渡って150万ASD以上を投資することを条件に、永住とビジネス起業のチャンスが与えられます。

ビジネスビザ(S482)

TSSビザ(スポンサー付き就労ビザ)とも呼ばれ、オーストラリアでもキャリアを積みたい人におすすめのビザ。就労中に、雇用主が同意すれば永住権へ切り替えが可能となるメリットもあります。

また、2023年7月より、中長期・短期職業リストのどの職業からでも2年働けば、就労ビザから永住ビザ(S186)に申請できることに改正されました。この機に就労ビザを取り、就職先に働きぶりを認められ、2年後のスポンサーになってもらいましょう。

地方移住技術就労ビザ(DAMA)

DAMAは、人手が足りない地域の自治体と雇用主との間の労働協定です。過疎化が進む地方の人手不足を解消するため、年齢や英語力などの諸条件が、通常のビザより緩く設定されています。50歳またはそれ以上の受け入れ地域もあるので、ぜひ活用してください。

DAMAについて詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。

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年齢制限のビザ取得デメリットを克服する3つの方法

年齢制限のビザ取得デメリットを克服する3つの方法

技術系のビザは45歳という年齢制限があるため、少しでも早く着手することがポイントです。この章では、45歳未満の人で、技術独立永住ビザ・技術指名永住ビザを目指す人がやるべきことを解説します。

英語力を向上させる

オーストラリアのビザ取得には英語力を証明する必要があります。特に、50歳以上の人は、ポイントシステムでの年齢による減点をカバーするため、まずは英語力の向上を図ることが重要です。現地就職で企業が求める英語力は、移民局のスコア以上が求められるので、継続的に就学に励んでください。

下図に、IELTSの試験結果でS189/S190/S489のポイントシステムでポイントがいくら加点されるかを表しました。

英語力レベル IELTSのスコア 可算ポイント
Superior English 全科目「8」以上 20ポイント
Proficient English 全科目「7」以上 10ポイント
Competent English 全科目「6」以上
Vocational English 全科目「5」以上
Functional English 全科目「4.5」以上

日本の学位を取得する

ビザ申請の際は、日本での最終学歴もポイントとして換算されます。現状、最終学歴が、専門・短大卒、学士・修士、博士に分かれて10~20ポイントの加点が可能となります。

また、就労ビザを申請する際、日本の学位や職歴を使用し直接現地の企業からスポンサービザを取得することもできます。現段階での学歴で加点が多くない場合は、移住前に日本の大学で学位を取得することも検討してください。

オーストラリアで履修する

日本での現在の学歴で加点が多くない場合は、オーストラリアでの新たな履修が推奨されます。オーストラリア国内で必要な学位を取得し、卒業後に就職して職歴を重ね、就労ビザから永住ビザを申請すると良いでしょう。

オーストラリアの大学や専門学校で、専門的な科目を2年以上履修するとポイントが加算されます。特に、IT、会計士、看護師などオーストラリアで需要の高いスキルを履修した場合、卒業後に職業技能訓練(プロフェッショナル・イヤー・プログラム)を受けることでさらに5ポイント加算できます。

語学留学は、それ自体にポイントは付きませんが、英語力をアップすれば、前述の通り「IELTS7以上で10ポイント」「IELTS8以上で20ポイント」などが加算されます。また、永住権獲得前に現地の暮らしを知るメリットもあります。

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海外移住を目指す人はできるだけ若いうちに行動に移そう!

今回お伝えした通り、オーストラリア移住のビザ申請の年齢制限は45歳を上限としています。そのため、海外移住を目指す場合、50歳になっている人、なる前の人全てに言えることとして「できるだけ早く行動に移すこと」が大切です。

自分にしかないスキルを持ち、英語力や学歴などのポイントが高い人は技術独立系永住ビザ、ポイントが足りず、指定のエリアで暫定ビザを狙うならDAMAなど選択肢は複数あります。

ただし、DAMAや就労ビザは永住権ではないので、永住権ビザへの切り替えが必要である点、技術独立系永住ビザの申請は年齢が上がるほど選択肢は狭くなる点を理解しておきましょう。

今回の記事を参考に、オーストラリア移住を計画中の人は履修・就労の準備をするなど、なるべく早く次のステップに移ってくださいね。

■出典:
・投資ビザ(Subclass888)
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/business-innovation-and-investment-888/

・親引き寄せビザ(Subclass103)
https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/getting-a-visa/visa-listing/parent-103

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