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諦めるのはまだ早い!DAMAを利用すればオーストラリア移住できるかも

諦めるのはまだ早い!DAMAを利用すればオーストラリア移住できるかも

「年齢がオーバーしている」「職業リストに自分の仕事がない」「英語力が足りない」などの理由から、これまでオーストラリアへの移住を諦めていた人はいませんか。DAMAはそんな人にピッタリの「指定地域移住協定」です。

家賃が高い都心を離れて、地方で田舎暮らしを経験しながら永住権を目指したい人にもおすすめ。今回は、就労ビザが取りやすくなるオーストラリアのDAMAについて解説します。

この情報は2023年6月時点の最新情報です。

目次

オーストラリアのDAMA(指定地域移住協定)とは?

DAMAは、Designated Area Migration Agreement(指定地域移住協定)の略で、オーストラリアの指定された地方都市で不足している職業について就労ビザが取りやすくなる制度となっています。

TSSビザが下りにくい場合、このDAMAと呼ばれるスポンサービザを視野に入れてみてはいかがでしょう。この章では、オーストラリアの指定地域協定であるDAMAについて説明します。

DAMAは、人手が足りていない地域の自治体と雇用主との間に交わされている労働契約の協定で、なかなか働き手が見つからない特定地域の労働不足の解消が目的となっています。

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通常の就労ビザであるTSSビザ(Subclass 482)のビザ申請の流れは、ノミネーション、申請、承認といった3ステップです。DAMAはまず州政府からの承認が必要なので、4ステップとなり、スポンサー企業にとっては負担がかかるかもしれません。

そういった手間を差し引いても、過疎地で人手不足のスポンサー企業は、海外からの優秀な働き手の受け入れに協力的です。そのため、DAMAの特定指定地域の職業リストは、通常の就労ビザ482には含まれていない職業も多く含まれています。

また、エリアごとに雇用する職業が違い、条件も緩めに設定されています。経験年数が短くてもOKという企業もあるので、都市部で就労ビザ取得に苦労している人は、DAMAを視野に入れてみるのも良いかもしれません。

DAMAのメリットは?注意点も紹介!

DAMAのメリットは?注意点も紹介

この章では、DAMAのメリットと注意点について解説します。

メリット1.5年の長期滞在が可能

5年という長期滞在がしやすくなっていることがDAMAの最大のメリットです。通常の就労ビザでは、短期で2年、中長期でも4年しか働けません。また、中長期ビザと同じく、同じ雇用主の下で3年以上働けば、永住権ビザへの切り替えも可能となるのもメリットです。

メリット2.職業リストに載っている職種が豊富

就労ビザや永住ビザを申請する際のMLTSSLやSTSOLの職業リストにない職種がDAMAにはあります。職業選択の枠がさらに拡がるのがDAMAの魅力となっています。

たとえば、女性に人気の保育士ですが、TSSビザ(サブクラス482)の職業リストには、保育施設のマネージャー職しか載っていません。DAMAを使えば、実際に働くワーカーの保育士でも申請が可能になります。Aged care (介護士)、Disability care(障がい者介護士)なども同様です。

メリット3.厳しい条件の免除もしくは緩和

スポンサー付き就労ビザ(TSSビザ)では、英語力、資格、年齢、勤務年数、最低賃金などの厳しい条件が求められます。DAMAを使えば、そのような条件が免除もしくは緩和されます。このメリットについては、次の章でもっと詳しく説明します。

DAMAを利用するときの注意点

DAMAにはメリットも多いのですが、以下のような注意点を知っておきましょう。

  • 指定地域ごとに申請できる職種や条件が大きく異なる
  • 一定期間、住む地域が限定される
  • 永住権を取るためには最低3年は同じ雇用主の下で働く必要がある
  • 指定地域であればどの企業からでも採用が適応されるわけではない

DAMAは、指定地域に限った移住・労働協定なので、申請した場所に一定期間、移り住む必要があります。地方に行けば行くほど条件は緩和される傾向がありますが、どうしても都市部に住みたい人は、アデレードやケアンズなど都市化や観光地化が進んだ都市を選ぶと良いでしょう。

また、DAMAでTSSビザを申請する条件としては、最低でも2年間のパートタイムまたはフルタイムでの職務経験が必要になる点に注意しましょう。ただし、日本で既に資格を持ち、2年以上の職歴がある人は問題ありません。

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DAMAを利用した方が良い人は?永住権の取得方法は?

DAMAを利用した方が良い人は?永住権の取得方法は?

この章では、DAMAを利用すると良い人の特徴を解説します。あわせて、DAMAを介したTSSビザから永住権への切り替え方法、指定地域についても紹介します。

特徴1. 職業リストに自分の仕事が見つからない人

DAMAは、TSSビザ(サブクラス482)の職業リストに、自分の職種や職位が見つからない人におすすめです。

たとえば、医療従事者、学校の先生、教育者、福祉サポートワーカー、託児所管理者、カウンセラー、医学者、保育労働者、高齢または障がい者の介護者、介護支援職員職、個人的な介護アシスタントなどです。

また、通常だと長期滞在の対象にはならない職業のツアーガイド、保育士、美容系ワーカー、バリスタ、ウェイターなどもリストに載っている地域があります。

特徴2. 年齢が45歳以上の人

オーストラリアの長期滞在が可能なビザでは、年齢制限が45歳未満に設定されていることがほとんどですが、DAMAでは年齢の条件が緩く設定されています。たとえば、年齢制限を50~55歳に緩和した地域も多くあります。

特徴3.英語力が不足する人

DAMAは、英語の最低要件であるIELTS5.0を満たしていない人でも申請できます。たとえば、IELTS4.5、4.0、あるいはそれ以下の英語力でも申請できる場合があります。さらに、永住権ビザ申請の際のIELTS審査も緩和されます。

DAMAから永住権ビザへの切り替え方法

ダイレクトに永住権にアプローチすることが困難な人でも、DAMAを介してTSSビザを取得し、永住権に切り替えることが可能です。ここからは、DAMAを介したスポンサービザ(サブクラス494)とTSSビザ(サブクラス482)から永住権取得までの流れを説明します。

494は、特定の地域に限り、5年間にわたって就労や勉強が可能になるスポンサー付き暫定ビザの地方版です。オーストラリアの地方認定地域でフルタイムの就労オファーのレターが下りている人に向いています。

まず、494にて3年以上、指定エリアに居住および就労した上で、3年後に永住権ビザ(サブクラス191)へ切り替えてください。

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482は、まず4年の滞在期間のうち3年以上同一雇用主の下で働いてから、ENSと呼ばれる雇用主指名制度(サブクラス186)の申請を行います。

このENSビザは、言わばTSS暫定雇用ビザの永住権バージョンです。TSS保有者は、諸条件が揃った時点でENSに切り替えて永住権を取得してください。

このように、DAMAを使えば、MLTSSLの他に地方ごとで決められた様々な職種でのスポンサーが可能となります。

DAMAが利用できる指定地域

DAMAが利用可能なのは、アデレード、NT(ノーザンテリトリー)、ケアンズなどQLDの北部、オレンジなどNSW州の西部、鉱山産業が活発なWA(ウエスタンオーストラリア)、Victoria(ビクトリア)の工場が多い地域など、下のような12の特定地域となります。

・Adelaide(SA)・South Australia Regional(SA)・East Kimberley(WA)・Pilbara(WA)・South West(WA)・The Goldfields(WA)・Far North Queensland(QLD)・Townsville(QLD)・Goulburn Valley(VIC)・Great South Coast(VIC)・Northern Territory(NT)・Orana(NSW)

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DAMAはビザ取得が困難なときの切り札として使おう!

DAMAは、厳密にはビザではなく、人手が足りていない地域の地方自治体と雇用主との間に交わされる労働契約です。特定労働協約なので、承認された雇用主が通常では申請許可が下りないような職種の海外移民を後援する取り決めがあります。

そのため、通常の移民システムよりも年齢や職種の条件が緩く設定されているのが最大の特長です。何らかの理由で通常のビザが下りない人は、オーストラリア移住の切り札としてDAMAを覚えておくと良いでしょう。

出典:Australian Government Department of Home Affairs :DAMA(A designated area migration agreement)
https://immi.homeaffairs.gov.au/

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