シンガポールのエステサロンの店長で大変だったこと
現地のスタッフのプライドがマリーナベイサンズ並みに高い
エステティシャンとして入社したシンガポール人と、オープン前に顔合わせをして研修を受けているとき、
「日系企業はすぐ日本人をマネージャーにしたがるわよねぇ。英語もできないし私よりエステの経験も浅い、シンガポールの顧客志向もしらないニホンジンが、私より高い給料もらいながらシンガポールでマネージメントなんて出来るのかしら?ハハン。」
というニュアンスの事を優しい笑顔で言われ、一瞬で凍り付いたのを覚えています。
言っていることが的を得ているからぐうの音も出ず、ただそこに立ち尽くすのみでした。
予約が入っても、まず来ないと思った方がいい
サロンの地図、間違えて載せてないかな…と、何度確認したことでしょう。
何度確認しても、地図は間違っていません。
でも、なぜ来ないんだ。
初回半額という広告に飛びついて予約を入れてきたお客さんに限って、携帯が壊れたりするだろうか?
電話をかけても全く繋がらないのです。
日本人は約束をきちんと守る人種だから、そのスタンダードをこの国に当てはめてはいけないと、何度も自分に言い聞かせました。
常連のお客さんは、ほとんどが予約時間通りに来てくれて、「すみません、2分遅れます!」という電話をもらった時は、感動して泣きそうになりました。
「新規予約のお客さんが来ない問題」は深刻で、新規予約のだいたい10人中7,8人は2分遅れどころか永遠に来ない、来ても30分~1時間遅れての来店がほとんどでした。
遅れてきた挙句、
「アタシ急いでるから〇時までに終わらせてくれる?」という無茶振りの嵐。
なので、ごくたまに時間通りに来店してくれたお客さんは、泣きながら拍手で出迎えて、このニホンジン大丈夫か?という目で見られる始末でした。
雨にもマケズ、風にもマケズ、細々と営業と続けていたのですが、
あれだけの期待を背負って前途洋々風にオープンしたエステサロンも、数年くすぶり続けた売り上げをよそに、コロナウイルスの影響という最強の言い訳を盾に、
「いや~、コロナさえ無ければ、来年中には国内3店舗、アジアに5店舗はオープンする勢いだったのに、いや~、コロナさえ無ければ…。」
とお客さんに説明しながら、堂々と、自信満々に、潔く、、、
閉店いたしました。