朝から外食!?驚きのシンガポール朝食話
シンガポール人ファミリーと朝食へ
当時通っていた日本人学校の国際交流プログラムで、中華系シンガポール人のご家庭にホームステイをした時の話です。
お世話になったのは、私と同年代の女の子と、彼女のお兄さん、父親、母親の4人家族で、家は立派なコンドミニアムでした。夕方に迎え入れられ、夕食はレストランに行き、その日はすぐ眠りにつきました。
次の朝「さあ、起きて!」とホストファミリーに起こされます。時計を見てみるとまだ6時前。ずいぶん早い朝食だなと思っていると、ホストファミリーの皆がいそいそと着替え始め、身支度しています。
朝からきちんと着替えて食事をするお家なのかな、とぼんやりしていると「そろそろ出かけるから準備して!」と声をかけられました。なんと、朝から外食に行くそうです。私は慌てて身支度し、みんなで車に乗り込みました。
朝から混雑するホーカー
到着したのは、ホーカーでした。ホーカーとは、シンガポールの各所にある、屋台が立ち並ぶフードコートです。
麺類やおかゆなど、数ある屋台が並ぶ中で、皆でトースト屋さんを選びました。「早めに来て良かった、ここはいつも混むからね」とホストファザーが言います。休日はもちろん、平日も出勤前の人たちで賑わうそうです。
シンガポールの定番朝食「カヤトースト」
みんなで「カヤトースト」のセットを注文しました。カリッと焼かれたパンに、緑がかった黄土色のような、日本の朝食ではまず目にすることない色のジャムと、バターのかたまりが挟まったトーストが出てきました。
この不思議な色のジャムは「カヤジャム」というもので、ココナッツミルク、「東洋のバニラ」と呼ばれるパンダンの葉、そして砂糖とたまごで作られています。シンガポールでは定番のジャムで、栄養価も高いと評判です。
一口食べてみたところ、おいしい!カヤジャムのまったりとコクのある甘みに、バターの塩味が効いて、日本では食べたことのない味がします。クセになりそうな味です。
半熟たまごと一緒に
カヤトーストのセットで、半熟たまごが付いてきました。これは日本の朝食で食べるものと変わりなく、醤油や塩でいただきます。
ドリンクは甘いコピ
ドリンクは、ローカルコーヒーの「コピ」をいただきました。普通のコーヒーと違って、ミルクは牛乳ではなく、どろっとしたコンデンスミルクがカップの下に沈殿しています。
カヤトースト、半熟たまご、コピと、どれも濃厚なのに、しつこすぎず絶妙なバランスです。朝からガツンと糖分を摂取し、大満足の朝食でした。
朝から元気なシンガポール人
ホーカーでは長居せず、朝食はさっと食べ終わりました。そしてまた車に乗り、まっすぐ家に戻ります。
まだ朝の8時前です。これからゆっくり過ごすのかな?と思ったら、ホストマザーが「1曲どう?」とリビングにあるカラオケを勧めてきました。そして朝からカラオケ大会が始まります。みんなが順番に歌っていきます。
私に気を遣ったホストマザーが「日本の曲もあるわよ!」と何故か中華系のカラオケに入っている「いい日旅立ち」をセットします。
私は勧められた「いい日旅立ち」を歌いながら、早起きして朝から外食し帰宅後すぐにカラオケ・・・この活力は、あのガツンと甘いカヤトーストのパワーなのかも知れないと感じました。
まとめ
シンガポールでは、このように朝から家族で外食し、しっかり朝食を食べる文化があります。もし機会があれば、ぜひ朝のホーカーでシンガポール人に混じって朝食にチャレンジしてみてください。元気な活力が湧いてくるかもしれない、カヤトーストをおすすめします。