スリランカ就職の大英断
海外・紅茶が人生の軸
私の人生に欠かせないキーワードが、「海外」と「紅茶」の2つです。
学生の頃から英語が好きだった私は、語学系の大学を卒業後、外資系の企業で接客の仕事に就きました。
そこで私と同様、海外への興味が強い同僚たちと出会い、海外での経験談を聞くにつれ、「私も海外で働いてみたい」という気持ちを持つようになりました。
同時に紅茶にも興味を持ち、勉強するにつれ、その奥深い世界にハマり、紅茶の資格を取得しました。
ただ、当時は「紅茶」も「海外」も仕事に結びつくものとして考えられず、憧れを抱きつつも、心の奥底に押し込んでいる状態でした。
その時の将来設計は、「会社員と紅茶の先生の二足の草鞋になること」。
休日に紅茶教室を開けるよう、仕事の合間を塗って、日々紅茶の勉強をしていました。
人生設計を変えた休暇
紅茶をやっているからには、紅茶生産国も訪れておきたいと思い、スリランカの茶園に行ったのが2016年。
有給休暇を使った1週間の滞在でした。
スリランカ観光には興味がなく、紅茶を勉強するための最初で最後のスリランカ訪問のつもりで、ただ紅茶関連の場所のみを訪れただけでしたが、これが人生を変える転機となりました。
できたての美味しい紅茶、行く先々で会うスリランカ人の優しさ、そして壮大な茶畑の美しい風景。これらにすっかり魅了されました。
それだけでなく、自分自身にも大きな変化を感じられました。日本では、どこか肩に力が入って常に気を張って過ごしていたのが、スリランカでは変な力が抜けて、自然体でいられ、とても気持ちがラクになったのです。
この時、「ここで紅茶の仕事をして、今後の人生を過ごしたい」と思いました。
決意を後押しした経験
とはいえ、休暇を終え仕事に戻ると、日々の生活に追われ、移住のための具体的な行動はしていませんでした。ただ、当時の仕事が、AI化やキャッシュレス化の煽りをもろに受ける仕事で、「定年になるまで、この仕事が残っているのか?」と頻繁に考えていました。
そして、「新しい仕事に踏み出すには早い方がいい」「やりたいことに挑戦したい」との思いから、スリランカでの就職に挑戦することにしました。
この決意をするのに、大きな後押しとなった経験があります。
それが、10年前に留学先のイギリスの紅茶店でアルバイトをしたこと。
イギリスで目指していた仕事のアルバイトに就けたこと、そこでイギリス人のお客様や同僚と英語でコミュニケーションを取りながら、職場で唯一の日本人として職務を全うできたという経験が自信となり、私の新しい決断の後押しとなりました。
また、長年海外で頑張っている友人たちや、何年も海外にいた後、日本に帰国して活躍している友人たちが、それぞれに自分の世界を持って、生き生きとしている姿は大きな励みになりました。
そして、大英断をしてスリランカへ向かいました。