スリランカでの海外就職をたぐり寄せるために
どんな経験も繋げられる
私は紅茶会社で、日本市場を開拓するマーケターとして採用されました。と言っても、それまでにマーケターとしての経験はありません。それは会社も承知していました。
面接では、「マーケティング戦略の専門が社内にいるので、あなたには実践的なことを任せたい」との話がありました。具体的には、テイスティングセミナーの企画・講師、日本人顧客の対応、市場調査などです。そして、これらの仕事内容には、それまでの接客や研修指導員としての職歴、紅茶イベントの主催・運営、日本の紅茶事情をブログに書く、といった経験を活かせると伝えました。また、「日本の旅行会社と協力して、茶園ツアー事業を新しく立上げたい」との話には、「日本で旅行の国家資格を持っており、日本の旅行業界のルールに精通している」と答えました。
もちろん面接では、気後れせずに堂々とやり取りし、自信があるように見せました。
一見、海外での仕事に繋がらなさそうな経験や資格ですが、そこから何を吸収し、どのように活かすかは私の捉え方次第です。日本での仕事の中にも、将来の目標と繋がる部分を見出し、その時にできることに前向きに取り組んだものを、役立てることができました。
やっぱり気になる語学力
どれほどの語学力があれば、海外できちんと働けるのかも気がかりでした。
スリランカには現地語がありますが、英語を話すバイリンガルも多く、私の会社でも英語が使われていました。
私は、日本で生活している人たちの中にいれば、英語を話せる部類に入りますが、だからと言ってどんなトピックでも流暢に話せるレベルではありません。
ですが、上司の指示を理解し、報・連・相のやり取り、同僚との打ち合わせなど、全て英語で乗り切れました。
というのも、国を問わず、紅茶の仕事の業務内容は同じで、同じ知識を皆が共有しています。なので、たとえ言葉での説明が不十分だとしても、ベースにある同じ知識で補い合い、お互いに意図を理解することが可能でした。
また、仕事で使う単語や表現も限られていました。これに関しては、日ごろから紅茶に関する情報を英語でも収集し、紅茶関連の英語表現に馴染んでいたのも助けになりました。
やみくもに英語を勉強するよりも、効率がよく実務的だったと思います。
おおらかに楽しむ心
海外で就職する時には、自分のためにも心の持ち方は大切だと思います。
どこの国でも、日本と同じように物事が進まないことは、多かれ少なかれあると思います。スリランカでも「なんでこうなるの!?」と発狂しそうなことが頻繁に起こりました。ですが、そこで日本と同じものを求めてもどうしようもありません。(もちろん、あり得ないことに対しては、はっきりと主張しますが。)
だったら、イライラするよりも、それを楽しむぐらいでいる方が、結局自分の気持ちもラクだと気づきました。
私が合言葉のように使っていたのが、「ここはスリランカだから」という言葉。
心の中でこれを唱えると、許すというか諦めというか、自然と「ま、いいか」と思えるようになりました。
逆に、これぐらいでないと、身が持ちません。
何事も、おおらかに捉えて大きく構えることが、海外就職までの長い道のりを乗り越える1つの手立てになったように思います。