イギリスにある日系商社で、貿易事務として働いた経験から得た気づき
私はイギリスにある日系商社で、貿易事務として働いた経験があります。この職務では、日本のサプライヤーとヨーロッパのバイヤーとの間に入り、商品の売買に関するさまざまな業務をサポートしました。日本での経験やスキルをいかして仕事を見つける方法や、現地の日系企業で働く際のメリット・デメリット、日系企業の集中する場所、また役に立った経験やスキルについて、気づいたことを紹介します。
日本での経験やスキルをいかして仕事を見つける方法について
日本では外資系ロジスティクス企業での経験を積んでおり、契約の管理、スケジュールの調整、必要な関連書類の発行、物流の調整などが主な業務でした。ロジスティクス企業と商社という異なる業界での経験を組み合わせることで、より幅広い視野で業務を展開することができ、スキルをいかすことができました。
イギリスでの仕事を見つけるために、私は現地のエージェントに登録し、彼らが紹介してくれた日系企業に応募し、最終的に就職しました。母国語が英語でないため、ネイティブスピーカーと比較して英語力は劣るかもしれませんが、日本語能力や日本社会の特有の気遣い能力など、自身が日本人であることも貴重なスキルとして認識されました。
さらに、自身が経験を持っている業界に就職することで、日本での収入水準を維持しつつ、現地での生活をスムーズに始めることができました。この方法は、日本での経験やスキルを最大限に生かすための効果的なアプローチであると考えます。
※利用したエージェントサイト:ピープルファースト
現地の日系企業で働く際のメリット
現地の日系企業での勤務には多くのメリットが存在します。まず、日系企業は社員に対する充実した福利厚生を提供する傾向があります。これには、健康保険や健康診断、年金制度、有給休暇などが含まれ、安心して働くことができます。また、多くの日系企業は長期的なキャリアプランや教育プログラムを提供し、スキルの継続的な向上を支援します。
さらに、日系企業での勤務は、日本のビジネス文化に精通していることを高く評価し、自身が日本人であることをスキルとして認識してくれる傾向があります。これは、同僚との円滑なコミュニケーションを取る際にも役立ちます。また、日系企業は日本の価値観やビジネス慣習に基づいた組織文化を持ち、日本の企業との取引に関する経験をいかせることが多くあります。
現地の日系企業で働く際のデメリット
日系企業での勤務にはいくつかのデメリットも存在します。その一つは、期待したほどにはヨーロッパスタイルの働き方ができない可能性があることです。もちろん、個人の努力や選択に左右されますが、私はイギリスの日系企業が日本社会の特有の要素を強調し、閉鎖的な雰囲気を持つことを感じました。同僚には日本人以外のスタッフも多くいましたが、上司は主に日本人であり、非日本人の従業員も日本のビジネス文化に合わせる傾向がありました。残業もよく発生しました。前職で培った知識やスキルをいかすことが難しい場合もあり、発言の自由度が制約されていると感じました。
日系企業はロンドンに集中
イギリスにおける日系企業は、特にロンドンに集中して存在し、多くの日本人求職者にとって魅力的なキャリアの機会を提供しています。ロンドンはイギリスの経済的な中心地であり、多くの国際的な金融機関や企業が本社や支社を置いています。このため、日系企業はビジネス機会が豊富で、戦略的な立地としてロンドンを選ぶことが一般的です。
一方で、ロンドン以外の地方都市では、日系企業の存在が限られています。そのため、求職者にとって選択肢が制約され、希望の職種や業界に就くことが難しいことがあります。地方都市に存在する日系企業の認知度が低く、求職者が求人情報を見つけたり、キャリアの機会を把握することが難しい場合もあります。日系企業で働きたいのであれば、ロンドンの方が機会は多いでしょう。
役に立った経験やスキル
私は貿易実務検定C級の資格を取得しています。これは主に日本国内で通用するものですが、日系企業での求人選考において役立ちました。しかし、実際には資格よりも経験が重要だと感じます。貿易実務の経験は、日本ではロジスティクス企業で培ったものでしたが、イギリスの日系商社での経験を通じて、これらのスキルを幅広く活用できることを実感しました。
貿易実務の仕事は海外でも機会を見つけやすく、業界によって実務の内容は異なりますが、さまざまなポジションからの経験を積むことで、自身のスキルを向上させることができます。これらのスキルがあれば、海外で現地採用からキャリアをスタートすることは十分に可能だと確信しています。
まとめ
海外にある日系企業での勤務は、自分のスキルを最大限にいかしながら、国際的なビジネス環境における貴重な経験を積む機会を提供してくれます。多くの場合、日本と他国とのビジネス取引に関与し、異文化コミュニケーションのスキルを磨くことができます。これは、日本でも海外でも通用する、将来の国際的なキャリアにおいて非常に有用な経験となるはずだと確信しました。